アイブリッジは、マーケティング業務に従事する従業員数100人以上の企業の課長以上役職者881人を対象に「マーケティングトレンド 2025年の振り返りと2026年の展望」調査を実施しました。同調査は2023年から3年連続で実施されており、マーケティング担当者の情報収集行動やトレンド認識の変化を追跡しています。
Google検索が情報源として存在感を増す
2025年の具体的なトレンド情報源について聞いたところ、「Yahoo!ニュース」が37.2%で3年連続のトップとなりました。一方で大きな変化が見られたのが「Google検索」です。35.1%と前年比5.5ポイントの大幅増となり、前年2位だった「SNS(X、Instagram、Facebookなど)」の33.7%を逆転して2位に浮上しました。
この結果について、調査を実施したアイブリッジは「商談・打ち合わせでのオンライン化が進み、仕事上の人脈だけでは深い情報が得にくくなっていること」「生活者理解のリアリティを得る場が『仕事よりプライベート』へシフトしていること」の2点を背景として推測しています。
新聞についても利用が回復傾向にあり、電子版が26.8%で3.1ポイント増、紙媒体が26.5%で2.4ポイント増と、いずれも前年から明確な上昇が見られました。情報の信頼性や深さを求める動きが、マーケティング担当者の間で強まっている可能性があります。
2026年のトレンド予測、SDGsへの期待は低下
2026年に期待できると思うマーケティング・トレンドを聞いたところ、前年3番目に高かった「見守り(高齢者・子供)」が29.4%でトップとなりました。続いて「ウェルビーイング」が26.8%、「ユニバーサル対応」が25.5%で上位3トレンドに入りました。
一方、前年トップだった「SDGs」と2位の「無人決済店舗」(ともに25.2%)は、今回は上位3トレンドから外れる結果となりました。調査では「SDGs疲れ」の存在が推察されており、環境配慮への関心が形骸化から実質的な取り組みへとシフトしている可能性を示唆しています。
また、前年は前年比7.1ポイントアップした「防災ビズ」は、今回は2.4ポイントのアップにとどまりました。災害対策への関心は継続しているものの、急激な高まりは一段落した形です。
環境トピックスは生活現場に近い取り組みに注目
2025年の環境に関する印象的なトピックスについて聞いたところ、「ローソン、石灰石由来の弁当容器でプラスチック削減」が24.5%でトップとなりました。続いて「コメダ、航空燃料への再生に向け、廃油回収700店目標」が23.0%、「ファミリーマート、『涙目』のキャラクターで食品ロス5%減」が22.9%と、コンビニエンスストアやカフェなど、消費者の生活現場に近いシーンでの取り組みが上位を占めました。
この結果は、環境問題への関心が抽象的なスローガンから、日常生活で実感できる具体的な取り組みへと移行していることを示しています。マーケティング担当者は、消費者が実際に接点を持つ場面での環境配慮施策に注目している様子がうかがえます。
AIの活用はウェルビーイング実証実験に関心
調査では生成AI(ChatGPTなど)に関するトピックスについても質問しています。詳細な結果はレポートのダウンロードで確認できますが、総括では「マーケティング分野におけるウェルビーイングへの期待が、AIを用いたウェルビーイング実証実験への関心の高まりとして表れている」と分析されています。
前年の調査では「生成AIがビジネスツールとして不可欠になるのであれば、1990年代のパソコンのように生活シーン全般へと普及する可能性がある」と述べられていました。今回取り上げられた「OpenAI、生成AIで『ジブリ風』イラスト」は、その兆候の一例と言えるでしょう。
また、ビジネス領域での活用に関しては、「20代はアイデア出しが11位」という結果から、世代による価値観の変化や潮流が反映されていると考えられます。若い世代ほどAIを創造的な業務に活用する傾向が見られる可能性があります。
情報収集と人脈構築の場が変化
調査では情報収集方法や人脈の広げ方についても質問しており、「趣味や生活などのプライベートな場」が「取引先や顧客とのコミュニケーション」と並んでトップになったことが注目されます。
この背景として、商談や打ち合わせのオンライン化が進んだことで、仕事上の人脈だけでは深い情報が得にくくなっていること、そして生活者理解のリアリティを得る場が「仕事よりプライベート」へシフトしていることの2点が推測されています。マーケティング担当者にとって、消費者としての自身の体験や、プライベートな場での観察が、より重要な情報源になっている可能性があります。
インバウンドへの期待は低下傾向
消費トレンドに関する質問では、インバウンドへの期待の低下が見られました。調査ではオーバーツーリズム問題の影響の可能性が指摘されています。観光公害や地域住民との軋轢が報道される中で、マーケティング担当者の間でもインバウンド需要への見方が慎重になっている様子がうかがえます。





