早いものでもう年の瀬。皆様にとって2019年はどのような一年だったでしょうか? 2019年1月にオープンしたMedia Innovationも最初の一年を終えようとしています。これまで10回の特集企画、13回のイベントを開催し、多くのメディア業界のキーパーソンを取材してきました。12月特集は「メディア業界2020年の展望」という事でこれまで登場いただいた皆様にメッセージをいただきました。

5月の「音声とメディアの未来」という特集企画は非常に反響が大きく、イベントにも100名以上の参加者を数えました。そんな音声市場をリードする一社として注目されるのが株式会社Voicy。 代表取締役CEO 緒方憲太郎氏 に急成長した2019年の振り返りと、2020年に向けての展望を聞きました。

2019年はメディア業界、またご担当のメディアにとってどのような年だったでしょうか?

Voicyがサービスを展開する音声メディア業界では、今年2月に大きなニュースが飛び込んできました。音楽配信サービスのSpotifyがPodcast企業2社を買収したというニュースです。日本でも多数の音声メディアが立ち上がってきていますし、音声広告にも注目が集まってきました。2016年から音声メディアサービス提供している私達Voicyとしても、こうした流れは非常にウェルカムです。

また、2019年は音声系ガジェットも世の中に多数登場した年でもありました。AmazonやGoogleのスマートスピーカーは価格帯も機能ラインナップも多様になり、ますます普及が進みそうです。Appleからはノイズキャンセリング機能を持つ完全ワイヤレスイヤホン「Air Pods Pro」も登場し、没入感のある「音のAR(Augmented Reality)」が評価されはじめています。

こういった背景により、人々が音声でデバイスを操作をしたり、生活の中で音声に触れる時間が大きく増えたなと感じています。今まで以上に音声業界が盛り上がった2019年ですが、2020年はますます盛り上がっていくでしょうね。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

音声メディアについて言えば、これからは「声で稼げる」ことが求められると思います。YouTubeがYouTuberを生んだように、海外のPodcastではPodcasterと呼ばれる音声発信のプロも登場しています。日本でも同様の流れが来るでしょうし、そうでないと本当の意味での市場の盛り上がりは作れないと思います。

その時の課題は、「音声メディアが社会に広く受け入れられること」と「面白い音声コンテンツがもっと生まれること」の2つではないでしょうか。これは鶏・卵の話でもありますね。スマートスピーカーや高機能イヤホンが広く普及し、音声メディアを聴く環境が整っていくことで、音声メディアがよりマスな存在になっていくかもしれません。ただ、それと同時に、マスにヒットする面白いコンテンツや人気者の登場が起爆剤になるとも考えています。今はある程度細分化されたカテゴリにそれぞれのファンがついている状況だと思いますが、先行しているアメリカや中国の事例を見る限り、強いコンテンツの存在は必要でしょう。

声の強みは「本人性」が宿り、共感や信頼を生みやすいことです。そういった強みを活かしたコンテンツ制作に挑戦している人はまだあまり多くないので、ブルーオーシャンな業界でどういった挑戦をするかも今後の成功のカギになると思います。私達Voicyも、音声のプラットフォームでありながら、音声メディアでもありますので、面白いコンテンツを作って届けていくことは引き続きチャレンジしていきます。

2020年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

様々ありますが、そのうちの一つはデータに基づいたコンテンツの提案です。それには、それぞれのユーザーに合うレコメンドでのコンテンツの提案だけでなく、スマートスピーカーなどを利用した生活のどこで音声を聞くと最適かという「聞く」タイミングを提案することも含まれています。2020年は5Gネットワークの実用化が進みますし、データのパーソナライズ化のほかにも多元化といった意味で、音声サービスが新しい形で利用される可能性があるのではないかと考えています。町中や施設内での音声ビーコンによるアナウンスや解説コンテンツなど、技術的には結構すぐにでも実現可能なものもあります。

また、会社としてのVoicyは、今はボイスメディアの開発・運営が中心サービスではありますが、音声ソリューション事業や音声インフラ事業にも取り組んでいます。例えば、10月にサービスリリースした「VoicyBiz」は、企業のコミュニケーション課題解決のために音声メディアを活用するものです。社員エンゲージメント向上のために「声の社内報」として活用いただいたり、サービスやプロダクトのファンコミュニティ形成に使っていただいています。この領域でも引き続き新しいサービスを考えています。

読者の方にメッセージがあればお願いします。

音声系のデバイスの他にも、ロボットなどのIoT機器で音声が活用されるようになりました。デバイスの他にも、音声を使ったアプリやメディアも多数登場し、今後もこういった流れは加速していくと思います。

Voicyは音声を提供する土管のようなプラットフォームとなり、今後も音声の文化を作り広めるために事業を拡大していきます。応援していただけたら嬉しいです。

インタビューもぜひチェックしてみてください。

活字や動画のように音声の新たな文化を創出したい・・・Voicy代表取締役CEO緒方憲太郎氏インタビュー