株式会社Voicyは2016年の創業以来、ボイスメディア「Voicy」の運営を中核として、生活を豊かにする音声文化の発展に貢献してきました。今年9月には月額課金機能「プレミアムリスナー」を公開するなど、音声市場の新たな可能性に迫り続けています。
Voicyだからこそ生み出せる音声メディアのコミュニティとは、また、ライフスタイルに基づいた音声文化が広げていく音声市場とは何か。株式会社Voicy メディアプロデューサー 眞嶋伸明氏に、音声マーケティングの視点から語っていただきました。
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ベンチャー企業にて約10年勤めた後、独立。フリーランスとしてビジネス開発をおこなう。2019年株式会社Voicy入社。マーケター、メディアプロデューサーとして事業運営を統括している。
―――「Voicy」の利用状況はいかがでしょうか。
2019年と比較して、今年の月間リスナー数は約4倍に伸びました。更に、スマートスピーカーでのVoicyの利用は約2倍に増加しました。
パーソナリティも増加傾向にあります。Voicyでは、パーソナリティ採用において審査制をとっていますが、半年前は約250チャンネルだったところから、直近では400チャンネルに増加しました。厳しい制限のもとでもこれだけ増えていて、順調に伸びています。
―――コロナによる影響はありましたか。
Voicyのユーザーはビジネスパーソンが多いということもあり、通勤時間が大幅に減少した時期には、Voicyを聞くタイミングが減少したことで苦戦しましたが、その後は利用者数が伸び続けています。これは、リスナーの新たな習慣形成に、再び音声メディアがマッチしたのだと考えています。
パーソナリティ数の増加にもコロナの影響がありました。外出自粛期間以降、外出を控えた芸能人が、YouTubeによるメディア発信を始めました。しかし、YouTubeは撮影や編集のハードルが高い。そう感じた芸能人の方々が、音声メディアに参入してきました。今年4月には茂木健一郎さんが始められたばかりですが、すでに代表的な人気コンテンツとなっています。審査を通過した芸能人、インフルエンサーの活躍が増えています。
―――審査制にはどういった意図があるのですか。
パーソナリティの審査は、その方の持つ声の魅力や、エンゲージメント力、発信されたいコンテンツカテゴリのVoicy内の状況など、多くの視点から見て、その方がVoicyで活躍していただけそうか、と考えて審査しています。
日本はまだ、「聴く」文化を作っている途中だと考えています。だからこそ、一部のパーソナリティと一緒にその文化を作っています。審査によって放送を絞り込むことで、リスナーはVoicy内で自分がおもしろいと感じる放送に出会う機会が増えていきます。
音声メディアは「良い意味で閉じられたメディア」です。音声メディア自体の特徴ともいえます。開かれすぎないコミュニティを保つことがパーソナリティにとっても、リスナーにとっても良いメディアになると考え、審査制をとっています。
―――Voicy独自の強みとは、どういったところでしょうか。
先ほど述べた通り、「良い意味で閉じられたメディア」だからこそ、コミュニティ内のユーザーの満足を追求しています。