ベライゾン、メディア事業を50億ドルで売却・・・「ヤフー」の社名が復活

米国の通信大手・ベライゾンは、傘下でメディア事業を行うベライゾン・メディア・グループを投資ファンドのアポログローバルマネジメント傘下のファンドに売却すると正式に発表しました。ベライゾンは引き続き10%の株式を所有する少数株主として残ります。売却額は総額5…

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<p>米国ヤフーのトップページ。社名としても復活する運びとなった</p>

米国の通信大手・ベライゾンは、傘下でメディア事業を行うベライゾン・メディア・グループを投資ファンドのアポログローバルマネジメント傘下のファンドに売却すると正式に発表しました。ベライゾンは引き続き10%の株式を所有する少数株主として残ります。売却額は総額50億ドル。

売却後の会社は現在のCEOのGuru Gowrappan氏が引き続き経営に当たり、「ヤフー」という名称になるということです。日本のヤフージャパンとは資本的な繋がりはありませんが、久しぶりに米国でもヤフーという会社が復活する事になります。

ベライゾンは2015年にAOLを44億ドルで買収、2016年にはヤフーの中核資産を48億ドルで買収し、Oathというブランドで統合しました。その後、ベライゾン・メディア・グループとブランドは変更されています。グループにはポータルサイトの「ヤフー」や、専門メディアの「TechCrunch」「Engadget」などのブランドがあり、所有するメディアは合計で月間9億人のユーザーにリーチしているとのこと。

各関係者のコメント

ベライゾン・メディア CEO Guru Gowrappan氏
「アポロのグループに加わる事をとても楽しみにしています。直近の2四半期の2桁成長は、ベライゾン・メディアの変革能力を示すものです。アポロのこの業界における豊富な経験と戦略的な洞察を得て、ヤフーは業界における機会や、メディア、長年の経験を活かして、引き続きデジタル広告プラットフォームとしての成長を続けていきます。今回の取引は私達の成長を加速させ、長期的な成功を導くものになるでしょう」

アポロ プライベート・エクイティ・パーソナー Reed Rayman氏
「ヤフーと傘下のブランドたちの限りないポテンシャルを引き出す機会を得られた事にワクワクしています。私達は彼らの過去数年間の成長に多大な敬意と称賛を払っていて、Guruやパートナーのベライゾンと一緒にヤフーの新たな時代を切り開いていく事をとても楽しみにしています」

アポロ シニアパートナー、共同プライベート・エクイティ・ヘッド David Sambur氏
「私達はヤフーの成長見通しや、デジタルメディア、広告技術、消費者向けインターネットプラットフォームのマクロ的な追い風を信じています。アポロはテクノロジーやメディア企業に投資してきた長年の歴史を持ち、これまでの経験を活かしてヤフーの成長を導く事を楽しみにしています」

ベライゾン CEO Hans Vestberg氏
「ベライゾン・メディアは過去2年半に渡り大きくビジネスを変革してきて、成長の可能性は非常に大きなものがあります。一方で次の成長には多くの投資と適切なリソースが必要です。アポロはベライゾン・メディアが次に向かうべき最も強力なビジョンと戦略を提案してくれました。ヤフーが新しい環境で大きく羽ばたくと確信しています」

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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