Neo Sportsが目指すファンタシースポーツの世界…Neo Sports 代表取締役社長 島田佳和氏

アメリカスポーツ業界において、ミレニアル世代のファン層獲得に成功した要因とも言われ、今や2兆円規模の市場となったファンタシースポーツとスポーツベッティング。

読売新聞社、読売巨人軍と協働し2020年にファンタシースポーツ「イニングキング」をスタートした株式会社Neo Sports代表取締役社長の島田佳和氏に、日本におけるファンタシースポーツの可能性、将来性についてお聞きしました。。

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コミュニケーションを生み出すファンタシースポーツ

ーーー「イニングキング」のサービス概要についておしえてください。

島田:「イニングキング」はジャイアンツ戦を対象に、1回の表から9回の裏までのどのイニングでバッターが点数を入れるのか、どのイニングでピッチャーが守りきるのかを、付与された仮想コインを使ってユーザーが予想するというゲームです。「イニングキング」では予想することを「ビリーブ」と呼んでいるのですが、例えば、仮想コインを100枚持っていて、そのうち10枚を1回の表にビリーブしたとして、実際に1回の表に5点入った場合、5点×10枚=50枚がユーザーに戻ってきます。そうしてコインの枚数を他ユーザーと競い合うというゲームになっています。

ビリーブはイニングが始まる約1~2分前まで受け付けており、リアルタイムで試合を見ながらビリーブする/しないを判断できるので、ユーザーが試合を見るモチベーションにもなるのではと思います。

ーーー「イニングキング」をスタートしたのはどういった背景があるのでしょうか?

島田:もともと私自身アメリカのスポーツが大好きで、10代の頃からMLBやNBAなどを観ていたのですが、その中でファンタシースポーツを知り、約20年以上に渡って遊んできました。そのような背景から、ファンタシースポーツを通じて日本のスポーツを盛り上げられないかと考え、2018年に株式会社Neo Sportsを設立しました。

ファンタシースポーツをやる上で、やはり日本ではプロ野球が一番大きな市場なので、プロ野球のリーグもしくはチームとファンタシースポーツをやりたいという思いがありました。例えば、アメリカのMLBはリーグが全チームの放映権や知的財産の管轄をしているので、リーグが窓口となって各チームと交渉できるのですが、日本のプロ野球はチームごとに選手の肖像権やロゴの使用権などが分かれているので、チームごとに交渉しなければならない状況でした。その中で読売新聞社、読売巨人軍とも会話し、彼らが抱える課題に対して「イニングキング」のようなファンタシースポーツが解決の一手段になるのではないかという話になり、3社でまずは実験的にやってみようということになりました。

ーーー「イニングキング」が提供するファンタシースポーツの面白さや魅力はどういったところなのでしょうか?

島田:ファンタシースポーツは一人で遊んでも面白いのですが、SNSを使いながら仲間同士で遊ぶとさらに盛り上がります。そのような楽しみ方を提供できればと思っています。例えば、弊社のスタッフも「イニングキング」で遊んでいるので、社内では「昨日ビリーブした選手がヒット打ってたね」のような会話が生まれていて、一つのコミュニケーションツールとなっています。やはり自分で予想すると試合を見たくなるし、自分一人ではなく仲間と一緒に遊ぶことによってよりハマっていくような沼(笑)がつくれればいいなと思っています。

注目の集まるスポーツベッティングの合法化

ーーー国内でもスポーツベッティングへの関心や需要が高まってきているように感じます。課題の一つとして日本の法律の問題がありますが、今後どのように変わると思われますか?

島田:スポーツベッティング合法化に関しては2つのルートがあると思っています。1つ目のルートとしては、今後カジノ法案(IR推進法案)が成立しカジノが実際にできた場合です。ラスベガスなどのカジノにはスポーツベッティングのラウンジがあり、カジノの売上の約30~40%を売り上げているのですが、例えば、国内でカジノができ、売上を伸ばしていかなければいけないという時に、スポーツベッティング解禁の必要性に迫られるのではないかと思います。また、2つ目のルートとしては、コロナによるチケット収益の減少でスポーツ団体が苦しんでいる現状を打破するために、スポーツベッティングなど新しい収益源の必要性に迫られる場合です。

最近、スポーツベッティングの合法化に関する噂や情報も増えており、世の中からの注目も高まってきていると思います。これまで日本のスポーツ史のなかでこういう状況は無かったので、今後スポーツベッティング議論はより現実性をもって行われていくと思います。

あらゆるスポーツをファンタシースポーツに

ーーーNeo Sportsとしては「イニングキング」以外ではどのようなサービスを展開しているのでしょうか?

島田:今年3月に「STREAK 57(ストリーク・フィフティ・セブン)」というサービスを立ち上げました。これは、毎日プロ野球の試合でどの選手がヒットを打つかを予想し、予想した選手がヒットを打てば正解、ヒットを打たなかったら不正解となり、何連続正解できるかを競います。ジョー・ディマジオという選手が56試合連続安打という世界記録を出しているのですが、その記録を抜くことを目指して予想するゲームになっています。本当にシンプルなゲームで、どの選手がヒットを打つかを予想するだけなので、マニアなファンだけでなく、プロ野球をあまり知らない人でも楽しめると思います。

ーーー今後の展望について教えてください。

島田:これからスポーツ市場を活性化させていく上では、プロ野球ファンを他のスポーツに流していく、Jリーグファンを他のスポーツに流していくというように、いわゆるファンの水平移動が必要だと思っています。そのために、あらゆるスポーツが常時ファンタシースポーツ化されていて、Neo Sportsが展開するプラットフォーム上で遊べる環境を一日も早く作りたいと思います。

また、そうすることで、プロ野球のファンタシースポーツでポイントを貯めたプロ野球ファンが、さらにポイントを貯めたいからJリーグのファンタシースポーツもやってみるというように、特定のスポーツのファンからスポーツ全体のファンになる人を増やしていきたいと思っています。そのために、Neo Sportsとしては各チームや各競技のリーグ、各スポーツイベント主催者などからの理解や賛同を得て、より総合的なファンタシースポーツサイトをいち早く実現していきたいです。

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