教育や出版、介護事業まで幅広い事業を行う株式会社ベネッセホールディングスと株式会社学研ホールディングス。新型コロナウイルス感染拡大が2社の明暗を分けました。ベネッセの2021年3月期の売上高は前期比4.7%減の4,275億3,100万円、営業利益は同38.5%減の130億8,900万円となりました。2022年3月期の売上高は3.2%増の4,410億円、営業利益は33.7%増の175億円と予想しているものの、コロナ前の水準まで戻るのは時間がかかりそうです。
■ベネッセ業績推移(単位:百万円)
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一方、堅調に推移しているのが学研です。2020年9月期の売上高は前期比2.1%増の1,435億6,400万円、営業利益は同12.2%増の50億7,500万円となりました。2021年9月期の売上高は2.4%増の1,470億円、営業利益を18.2%増の60億円と予想しています。コロナ禍でも営業利益を2桁増で伸ばしており、予想通りに着地すれば営業利益率は3.5%から4.1%まで上昇する見込みです。
■学研業績推移(単位:百万円)
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学研は2018年9月に介護施設運営のメディカル・ケア・サービスの株式61.8%を90億2,000万円で取得し、子会社化しました。2019年9月期は買収した子会社の業績がフルで寄与し、大幅な増収となっています。そこから新型コロナウイルス感染拡大、緊急事態宣言と続きますが、業績は堅調に推移しました。学研とベネッセの違いはどこに起因するのでしょうか。この記事は、2社の明暗を分けた要因を洗い出すものです。
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