ワン・パブリッシングが9月に発売した「生成AI導入の教科書」は、日本最大のAI専門メディア「AINOW」編集長・小澤健祐氏(おざけん)氏が執筆しましたが、「ChatGPT」の全面的なサポートによって書かれたそうです。
小澤氏は、本書の制作において、AI「ChatGPT」をフル活用。288ページにも及ぶ原稿の約70%をChatGPTで執筆し、制作期間を“約2か月半”という短期間に抑えました。一般的には半年から1年かかる書籍制作を大幅に短縮したものです。
小澤氏は、ChatGPTを使って原稿を書くことは「ワード」を使って原稿を書くことと同じくらい“普通なこと”と明言。しかし、ChatGPTがあれば誰でも書籍の原稿が書けるわけではなく、大事なのは「自分の中に、本で書きたいオリジナルの意見・情報」があるということだと語ります。
本書の制作において、小澤氏は4つの部分でChatGPTを活用。1. 書籍全体の構成の生成、2. 一般論の原稿作成、3. インタビューのテキスト整理、4. 文章・日本語の評価、の4パートで、それぞれ異なる使い方をしました。
また、著者はGPT3.5を活用し、出力する文字数は500文字程度に抑えるなど、スピードを優先した制作手法を採用。音声入力と併用し、キーボードを使わずに文章を生成しました。インタビューは文字起こしツールを活用し、リアルタイムで文章化するなど、多くの人の仕事に生かせるテクニックを駆使しました。
これらの手法により、小澤氏はまるで「ChatGPT」を優秀なライターや新入社員のように活用し、文章を生成するタスクをAIに完全移譲。これこそが、「生成AI時代」のまったく新しい書籍作成術と言えるでしょう。