本記事はThe Conversationに掲載された、アメリカのThePennsylvania StateUniversityでメディア学を専門とするMatthew Jordan教授による記事「Regal Cinemas’ decision to close its theaters is the latest blow to a film industry on lifesupport」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。
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瀕死状態に陥っている映画業界は、また新たな困難に直面しています。
リーガルシネマズのオーナーであるシネワールドグループは、映画館がウイルスの感染場所のように扱われていることを理由に米国と英国の全施設の営業を停止することを発表しました。
映画制作スタジオもまた困難に直面しています。予算確保のために銀行から借り入れを行っている多くの有名スタジオは超人気シリーズの放映を延期しています。例えば、第25作目のジェームズ・ボンド作品である「ノータイム・トゥ・ダイ」や「ミッション・インポッシブル7」、マーベルシリーズの「ブラック・ウィドウ」と「ワンダーウーマン1984」は放映の延期が決定されています。これらの映画の制作とマーケティングに投資された数十億ドルは、それだけでスタジオの存続を左右しかねない程の金額です。
一方、Netflix、Hulu、Apple TVのようなストリーミングサービスは、現在人々が自分の家でより多くの時間を費やしている傾向を上手く利用し着実に利益を拡大しています。
映画業界は、パンデミックやホームビューイングといった脅威に、従来の手法を変更することで対応してきました。
パンデミック下で、業界の変化が加速しているようです。そのため、映画館ではこれまで提供されていたサービスとは異なるものがこれから提供されるようになるかもしれません。
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