米国では金融市場の変革により、メディアビジネスにも巨大資金が流入するようになっています。資金獲得の有力手段として注目されているのが「SPAC上場」。今回は、「SPAC&直接上場 大きく変わる米国株式市場がメディアに与える影響」と題して、株注目されているSPACのしくみなどについて株式会社コンテンツジャパン代表の堀鉄彦氏が解説しました。
(聞き手: 株式会社メディアインキュベート 浜崎正己代表)
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目次
メディアビジネスへの巨大資金の流入が活発化
───まずは今回このテーマを採り上げた背景から
堀: このところ、メディアビジネスへの巨大資金の流入が目に付きます。メディアビジネスが投資の対象として注目されることは、昔はそれほどなかったと思います。投資家を説得しやすい状況と金余りの両方が理由ではないでしょうか。グループナインのSPAC(特別買収目的会社)が上場し、2億ドルを調達したという話題もありましたので、今回は、注目されているSPACについて解説しようと思います。
米国のグループナインメディアは、動画配信サービス「NowThis」「The Dodo」「Seeker」を所有する持株会社です。グループナインのSPACとして設立されたグループナイン・アクイジション・コープは、1月15日、ナスダック証券取引所に上場し、2億ドルを調達しました。詳しくは、Media Innovationの記事を読んでいただくといいのですが、こうした動きがかなり活発になってきているわけです。
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堀: 12月下旬には、ソフトバンクグループもSPACの新規株式公開(IPO)を米当局に申請し、調達金額は5億2500万ドル(約540億円)以上の見通しとなっています。ブルームバーグの集計によると2020年のIPO全体の約45%をSPACが占めていたそうで、アメリカは今、すごい状況になっています。
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SPACとはどういう仕組みなのか
───ところで、SPACとはいったいなんなのでしょうか。