デジタルメディアを運営する株式会社メディアジーンが、台湾のThe News Lens Co.(TNL)と経営統合を行い、かつ米SPACのBlue Ocean Acquisition Corp.と合併し、米国ナスダック証券取引所への上場を決めました。
メディアジーンは1998年設立で、今田素子氏と小林弘人氏が共同創業しました。現在は「GIZMODO JAPAN」、「Business Insider Japan」、「Lifehacker Japan」、「DIGIDAY[日本版]」など主にグローバルブランドの日本版を手掛けると共に、子会社のインフォバーンではマーケティングコミュニケーション支援を行ってきました。
日本企業と台湾企業がタッグを組んで世界に打って出る、という驚きのニュースの背景について、メディアジーン代表取締役で、統合会社であるTNLメディアジーンの取締役になる今田氏にお話を伺いました。
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―――グローバルなメディア企業の誕生、そしてナスダックへの上場というニュースはとても衝撃的でした。どんなきっかけがあったのでしょうか?
もともと、次の展開を考えていたというのはあります。海外に出ていきたいという想いも以前からありました。すでに欧米メディアからはライセンスを受けて展開していることもあり、経済が成熟した欧米より、人口が増加しており、政情も安定しつつ経済成長を続ける東南アジアでメディアやビジネスを広げていきたいと考えていました。
他方、長年メディアビジネスに取り組む中で、とても外的要因に振り回されるビジネスだというのも感じていました。広告市況やプラットフォーマーの動向にどうしても左右されがちで、何とか自分たちでコントロールできる部分を増やしていきたい。メディアジーンでも様々な試行錯誤をして一定の成果がありますが、まだ十分とは言えません。
そういったタイミングで、イードの宮川社長から「台湾のメディア企業が会いたがっている」とThe News Lens(以下、TNL)を紹介されました。ジョーイ(Joey Chung、TNLの創業者でCEO)は台湾のメディアのインタビューで「初めは顔合わせとして、20分で終わらせるつもりだった」と言ってましたが(笑)、でも最初から意気投合して、すぐに何か一緒にやろうという話になったんです。
―――どんな部分が相通じたのでしょうか?
やってきたこと、考えていたことが近くて、企業としての信念やカルチャーも似ていると感じました。お互い東南アジアで事業を展開して、グローバルに打って出ていきたいという想いも共通していました。
一番大事だと思ったのは、彼らが独立したジャーナリズムを貫いている点です。この点はメディアジーンも特にこだわってきましたし、TNLは台湾という政治的に複雑な国でそれを貫いているのは尊敬に値すると思います。やはり信頼されるメディアであるためには、書くべき事を書ける立場を保つのは非常に重要です。
それから、アンコントローラブルなメディアビジネスに対する課題感も共通でした。彼らはテクノロジーとデータを非常に重視していて、これを突破口に外的要因に左右されない、自立したビジネスを作ろうとしています。データを自分たちで持っていないというのはメディアの弱さでもあり、ここも意見が完全に一致しました。
―――TNLは日本ではまだ聞き慣れない存在ですが、どういった企業なのでしょうか?