ニューヨーク・タイムズ、売上高6.3%増。購読者総数は1000万人へ

ニューヨークタイムズ紙はこの四半期に18万人のデジタル加入者を獲得し、現在では1000万人近い加入者を擁しています。

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ニューヨーク・タイムズ、売上高6.3%増。購読者総数は1000万人へ

ニューヨーク・タイムズ社の2023年6月期第1四半期の売上高は、前年同期比6.3%増の5億9,085万ドル。EPSは0.38ドル(前年同期は0.24ドル)でした。

第2四半期に新たに18万人のデジタル購読者が増え、購読者総数は1000万人に近づきました。7月~9月の調整後営業利益は9,220万ドルで、前年同期の7,620万ドルから増加しました。総売上は5億9,090万ドルで、前年同期比6.3%増となっています。

デジタルおよび印刷物の購読料収入は6.8%増の4億960万ドル。デジタル広告収入は同6.5%増の7,380万ドル、印刷広告は同8.6%減の4,400万ドルでした。ニューヨーク・タイムズ紙の製品紹介サイト「ワイヤーカッター」を通じたアフィリエイト紹介など、その他の収入源からの収入も増加しています。

また、ニューヨーク・タイムズ紙の6月末時点の購読者数は紙とデジタルを合わせて約988万人で、うち919万人はデジタルのみの購読者で、6月までの12ヶ月間でデジタルのみの購読者を78万人純増させたことになります。

メレディス・コピット・レヴィアン社長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、約1000万人の購読者のうち3分の1以上が現在、複数のタイムズ紙商品を購読していると述べました。現在、中核となるニュースのほか、『クッキング』、『ゲーム』、『ワイヤーカッター』、『アスレチック』がラインナップで、前四半期に新たに加わったデジタル購読者の半数以上は、ニューヨーク・タイムズ紙が提供するすべての製品バンドルに加入しているといいます。

ニューヨーク・タイムズが2022年初頭に5億5000万ドルで買収したスポーツニュースサイト『アスレチック』は、前年同期の1260万ドルの赤字から、今四半期は780万ドルの赤字となり、その間の収入は55%以上伸び、3,040万ドルと収益に貢献し始めました。広告収入は同期の2倍以上の540万ドルとなり、ニューヨーク・タイムズ紙は9月、アスレチック紙のウェブサイトとアプリにディスプレイ広告を追加しています。

当四半期末時点で、アスレチック単体の購読者、またはニューヨーク・タイムズ紙のバンドル購読を通じてスポーツサイトにアクセスしている購読者は360万人を超えていることから、先月、ニューヨーク・タイムズ紙は今後数ヶ月のうちにスポーツデスクを解散し、代わりに『アスレチック』紙のスポーツ報道を統合すると発表し、社内外に衝撃を与えました。

なお、ウィリアム・バーディーンCFOは決算説明会でアナリストに対し、第2四半期中に100万人以上の加入者が値上げ分の支払いを開始し、2023年末までに150万人の加入者に値上げを通知する予定であると述べ増した。同CFOは、第3四半期のデジタル配信料収入は前年同期比で14%から17%増加する見込みであると述べています。

その他、減価償却費、償却費、退職金、雇用者年金制度脱退費用、特別項目を除いた調整後営業利益は、第2四半期に9,220万ドルとなり、前年の7,620万ドルから約21%増加しましたが、調整前ベースでは、6月までの12ヶ月間の利益は約25%減の4,660万ドルになっています。総収入は前年同期の5億5,570万ドルから6.3%増の5億9,090万ドルです。

上記の発表を受けて、同社の株価は8月8日市場開始時に8%近く上昇しました。

《前田邦宏》

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前田邦宏

メディアイノベーション見習いスタッフ。海外調査の最新動向を担当。分野を問わず、調べ物が好き。

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