大日本印刷株式会社(DNP)は2024年10月3日、国内外のメディアや広告関連企業などが設立した「Originator Profile(OP)技術研究組合」(OP組合)に参画したことを発表しました。
OP組合は、安全なインターネット環境の提供に向けた技術であるOPについて、ブラウザなどで採用される「Web標準化」を目指しています。OPは、インターネット上のコンテンツ作成者やデジタル広告の出稿元などの情報を検証可能な形で付与する技術です。
この技術により、信頼できる発信者を識別可能にすることで、第三者認証済みの良質なメディアとコンテンツをインターネット利用者が容易に見分けられる仕組みを確立し、偽情報・誤情報(フェイクニュース)やアドフラウド(広告詐欺・不正広告)などの汚染の抑止にもつなげていくことを目指しています。
OP組合は現在、慶應義塾大学サイバー文明研究センターの監修のもと、さまざまなステークホルダーと連携して日本国内におけるOPの仕様策定と試験実装を進め、Web標準化と社会実装に取り組んでいます。また、国内での研究で得た知見をもとに、Web技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)などにもOPを提案して、世界中の人々が安心して利用できる健全なインターネットの発展に貢献することを目指しています。
DNPは、信頼できる発信者を裏付ける技術として「DNP分散型ID管理プラットフォーム」のサービスをすでに提供するなど、OP組合でも数少ない技術ベンダーです。今回OP組合に参画することで、各社との対話と協働を通じて、コンテンツ証明書の発行・検証機能をこのプラットフォームに実装するなど、分散型IDビジネスの拡大を加速させていく方針です。
OP技術研究組合の村井純理事長(慶應義塾大学教授)は、「OPによりメディアや広告などでOPの利用が進めば、健全なインターネット空間が保たれ、結果として公益性を高めることになります。OP技術により、信頼性の高いメディアが可視化され、偽・誤情報の拡散などによって問われているニュースの信頼性の向上につながり、とりわけ、より健全なデジタル広告市場の構築に貢献することを期待しています」とコメントしています。