経済誌「週刊ダイヤモンド」が、30年ぶりの大幅リニューアルを実施することが明らかになりました。2025年4月より、同誌は定期購読を前提とした「サブスク雑誌」となります。ダイヤモンド社は、紙媒体の雑誌でも勝ち残るための戦略として、雑誌とデジタルの双方でサブスクリプション事業を強化します。
リニューアル後は、編集方針である「3大迫る(データで迫る・忖度なしで迫る・企業産業の最深部に迫る)」を徹底し、独自性の高い企業・産業系コンテンツの量産体制を整えます。また、デザインも一新し、雑誌ロゴを「ダイヤモンド」から英字の「Diamond WEEKLY」に変更。グローバルな視点を取り入れつつ、質実剛健とスタイリッシュさを兼ね備えた表紙デザインに刷新します。
さらに、会員登録者107万人、有料会員4.3万人を誇るデジタル版「ダイヤモンド・オンライン」との連携を強化。雑誌とデジタルのシナジーを活かし、「雑誌のビジネスモデルの進化形」を提案していきます。
リニューアル後のサブスク雑誌では、ビジネスリーダー層をターゲットとして企業産業系コンテンツをより充実させ、深掘り情報を扱います。読者セグメントを明確にし、広告主企業との深いエンゲージメントをサポートしていく計画です。
ダイヤモンド編集部の編集長である浅島亮子氏は、有料オンライン会員の増加により雑誌市場の苦境から脱した歩みを振り返り、「デジタルビジネスで培った先駆者メリットを大いに活かして、『雑誌とデジタル』の両輪でサブスク事業の強化を図って参ります」とコメントしています。
「週刊ダイヤモンド」は、ビジネス週刊誌として31年連続で市販売り上げNo.1のポジションを維持してきました。2019年にはデジタルサブスクモデルをスタート。定期購読スタイルが、デジタルサブスクを含めると部数全体の8割弱を占めるほどに定着しています。今回のリニューアルにより、編集リソースをサブスク事業へ集中投下し、新たなメディア運営を目指す方針です。
紙媒体の雑誌を手掛けるメディアを取り巻く環境が厳しさを増す中、「週刊ダイヤモンド」の大胆な改革は、出版業界全体にも大きな影響を与える可能性があります。デジタルとの融合を進めながら、いかに質の高いコンテンツを提供し続けられるか、今後の展開が注目されます。