朝日新聞は4月1日付から、夕刊1面の題字を背景のない横型に変更すると発表しました。1915年の夕刊発刊以来続いてきた縦型題字から、110年ぶりの大幅な刷新となります。
新しい題字は、従来の字体を維持しつつ、背景を取り除いたすっきりとしたデザインに一新されます。横型への変更により、紙面左右のスペースを有効活用した大胆なレイアウトが可能になりました。

今回の変更に伴い、夕刊1面の人気コラム「素粒子」も拡充されることになりました。これまでの14字14行から15字17行へと文字数が増え、より充実した内容を発信できるようになります。また、天気情報の掲載地点も全国の主要20都市に拡大され、読者サービスの向上が図られています。
朝日新聞の紙面刷新は、夕刊だけにとどまりません。4月から、日曜日の朝刊に「Sundayマネー」面が新設されます。金融や不動産、年金制度の見直しなど、難しくなりがちな経済関連の話題をわかりやすく解説する企画です。
さらに、月曜日の朝刊には、「グローバルワイド面」が登場。途上国・新興国の動向から世界情勢を読み解く新コーナーです。毎月1日には、経験豊富な4人の看板記者によるコラム「朔(ついたち)」面も新たに加わります。
朝日新聞の題字は、1879年の創刊時には横型でした。中国の唐の時代の書家である欧陽詢の筆跡から、作字されたものです。その後、1886年に縦型へと変更され、以来朝夕刊ともに縦型の題字を使用してきました。
夕刊題字の刷新は、デジタル時代における紙媒体の在り方を模索する新聞業界の動きの一環とも言えそうです。題字の変更をはじめとする今回のリニューアルを通じて、朝日新聞はより多くの読者に親しまれる紙面作りに取り組むものと見られます。