mui LabとNHK放送技術研究所は、生活空間に自然に溶け込む形で放送コンテンツと出会う視聴体験の共同研究を開始したと発表しました。
本共同研究では、mui Labが普及を牽引するスマートホーム標準規格「Matter」と、NHK技研が標準化に寄与した放送・デバイス連携の標準規格「ハイブリッドキャストコネクト」を組み合わせ、日常生活の中で放送コンテンツに自然と触れられる新しい視聴体験の実現を目指しています。
Matterは米Connectivity Standards Alliance(CSA)によるスマートホーム機器間の相互利用を実現する通信統一規格です。デバイスの相互接続性について、Apple、Google、Amazonの3社が協調戦略に転換したことにより、誕生しました。
一方、ハイブリッドキャストコネクト(ハイコネ)は、日々の生活行動と放送サービスをより簡単に結びつけるために、視聴者が日常の中で利用しているスマートフォンやIoT機器を起点として、テレビ放送やハイブリッドキャストアプリケーションとの連携を可能とする技術です。
検証されている具体的なユースケースとして、リビングに設置された天然木のタッチパネルディスプレイ「mui ボード」が天気や電力使用量などの暮らしに役立つ情報を表示する中で、ユーザーの関心に合った文字ニュースを表示するシステムを紹介しています。

文字ニュースにタッチすると、テレビ画面に、関連するニュース動画が映し出される仕組みです。情報をより詳しく知りたい場合は、mui ボードにキーワードを手書きで入力することで、関連動画を絞り込んで再生することもできます。




mui Lab CXO/CSA日本支部Matter技術部会代表の佐藤宗彦氏は「生活に溶け込むメディアであるmuiボードを通じた新しい放送コンテンツ体験は、『未来のくらし』の一例になると確信しています」とコメントしています。
共同研究で実装された仕組みは、現在のところ製品版のmuiボードでは利用できません。なお、今回の研究成果は、2025年5月29日から6月1日にかけてNHK放送技術研究所で開催される「技研公開2025」で初公開されます。