DoubleVerify(DV)が公開した「2025 Global Insights Report」は、21カ国2万2000人の消費者と1970人の広告主を調査し、世界の広告費を飲み込むウォールドガーデンの実態を多角的に描き出しています。
若年層のニュース消費の急激なSNS偏重、AI生成コンテンツの増殖、広告主の“リーチ困難”、そして透明性をめぐる新たな競争——。広告投資の主戦場となったSNSで、ブランドはどう価値を確保すべきなのでしょうか。
SNSが奪う可処分時間:テレビからフィードへと移る主戦場
DVの調査では、28%の消費者が今後1年でSNS利用時間を増やすと回答し、テレビ視聴(15%)を大きく上回りました。YouTubeの週次利用率は72%と最も高く、Facebook(69%)、Instagram(54%)、TikTok(45%)が続きます。SNSと動画プラットフォームが日常の「デフォルトの情報環境」になりつつある状況が明確に示されました 。


ただし、この集中の裏側では「断片化」が進んでいます。18~24歳ではYouTube・Instagram・TikTokが上位を占める一方、45歳以上ではFacebookの利用率が突出するなど、同じSNSでも年代や地域によって視聴行動が分化していることが特徴です 。広告主にとっては、“SNSに出稿すれば届く”という単純な構造ではなく、複数プラットフォームに分散した注意をどう束ねるかが課題となっています。









