Browsi山田氏が語る「広告を増やすから再分配へ」、150億セッションのデータが示す改善余地

・150億セッションのデータ分析から広告位置の最適化と改善余地が明らかにされている
・ユーザーデバイスや流入元に応じた広告配置とページ長さの見直しが重要と示された
・BrowsiのAIを活用し広告数を増やさずROIやビューアビリティ向上を実現している

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Browsi山田氏が語る「広告を増やすから再分配へ」、150億セッションのデータが示す改善余地
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AIを用いて広告枠を自動最適化するプロダクト「Browsi」を提供するPivot株式会社の山田真也氏が、全世界150億セッションのデータ分析をもとに、ウェブメディアの広告収益にはまだ改善の余地があると主張しました。広告枠の配置に関する常識を覆すデータとともに、「広告を増やすから再分配へ」という考え方を提示しています。

Pivot株式会社 山田真也氏

パブリッシャーが直面する二重の課題

山田氏はまず、多くのパブリッシャーが広告収益の悪化に苦しんでいる背景を2つの軸で整理しました。

パブリッシャーが直面する課題。市況面ではトラフィック低下とCPM低下、改善余地では施策の枯渇と広告枠増加の限界

一つは指標面の悪化です。AIによるサジェストやSNS利用の拡大で検索体験自体が変化し、トラフィックが低下しています。類似コンテンツの乱立で1つの検索結果あたりの流入も減少しているとの事です。CPMもコロナ以降に大幅に落ち込み、コロナ前と比べて30%~50%以上下がっているパブリッシャーも珍しくないということでした。

もう一つは改善余地の枯渇感です。AdSenseからSSP導入、Google Ad Manager導入と施策を打ってきたものの成長が鈍化し、改善事例や情報も不足していて何をすればよいか分からないという状況にあるとの指摘です。物理的に広告枠をこれ以上増やせない、ユーザー体験がこれ以上悪化するという壁にも直面しているということでした。

ファーストビューの広告は「まだ早い」

山田氏は、150億セッションのデータ分析から得られた4つのインサイトを紹介しました。

第1はデバイス別のユーザー行動の違いです。デスクトップの方がページの深くまで見られ、スクロール速度もゆっくりだという傾向が示されました。

Insight 2: タイトル・リード文直後の広告表示は「実はまだ早い」。一定量コンテンツ表示後が最適な位置

第2は広告のフォールド(画面1枚分の単位)別のビューアビリティです。スマートフォンではファーストビュー(第1フォールド)ではなく第2フォールドが最もビューアビリティが高く、デスクトップでは第3フォールドが最も高いという結果でした。タイトルとリード文の直後に広告を入れるという一般的な手法は、実はまだ位置として早く、かえって第2フォールドという最も見られる位置への広告表示を阻害しているとの分析です。

Insight 3: 流入元別のビューアビリティ比較。Search 49%、Direct 53%、Social 57%と流入元で大きく異なる

第3は流入元別の違いです。検索流入はビューアビリティがやや低い一方でアズパービュー(1ページあたりの広告表示数)が多く、ソーシャル流入はビューアビリティが高いが流入量が少ないという傾向です。流入元のセグメントによってユーザー行動が異なるため、トラフィックの特性把握が欠かせないと述べていました。

Insight 4: ページが長くなるとインプレッションは増える(相関+0.92)が、ビューアビリティは下がる(相関-0.90)

第4はページの長さとビューアビリティの関係です。ページが長いほどインプレッションは増えますが、ビューアビリティは下がります。この相関は気温とアイスの売れ行きほど強い(相関係数0.9超)とのことです。ビューアビリティの低下は長期的なCPM下落につながるため、ページを長くすれば売上が上がるとは限らないと指摘しました。ただし、ページを短くすればよいという話でもなく、ページネーションを激しく設定してPVを稼ぐ手法もインプレッション減少や離脱率上昇を招くと注意を促していました。

広告改善は「あなたのサイト」に即して分析すべき

山田氏は、紹介したデータはあくまで全体の平均値であり、個別のサイトの話ではないと強調しました。ユニコーンとルーメンの調査でインライン広告のアテンションが最も高いというデータも出ているが、実際には自サイトに即した分析が欠かせないということです。

広告改善のステップとしては、ユーザー行動の分析・理解、収益価値の高いページ・トラフィックの仮説設計、広告枠の仮説設計、施策の優先度付け、ABテストによる効果検証という流れが示されました。速効性と収益インパクトの2軸で施策を評価し、両方が高いものから着手すべきだとの事です。ただし、これらを人力で回すと数カ月がかりのプロジェクトになるという課題があります。

広告収益の悪化は各パブリッシャー共通の悩み、ということもあり多くの聴衆が耳を傾けていた

BrowsiのAIが150以上のデータポイントで広告枠を自動配置

そこで紹介されたのがBrowsiです。AIがユーザーごとにリアルタイムで最適な位置を判断し、広告を自動設置するツールです。150以上のデータポイント(流入元、デバイス、ページ構造、読み込み時間、ヘッダービディングのビッダー速度など)をリアルタイムに分析しているとの事です。

Browsiの導入実績。CNN、TMZ、デイリーなど複数メディアでビューアビリティ向上とROI改善を実現

導入事例として紹介された日本のパブリッシャー「Daily」では、ビューアビリティが46%向上した一方、1ページあたりのインプレッション増加はわずか0.6%にとどまり、ROI 1000%を達成したということでした。広告数をほとんど増やさず、配置の最適化だけで収益を改善した事例です。

山田氏は広告密度に関する最新の動向にも触れました。スマートフォンではメインコンテンツに対する広告の高さが30%を超えるとGoogleから制裁を受けるリスクがあり、最速で2026年5月15日以降はデスクトップにも密度制限が加わると発表されているとの事です。Browsiでは管理画面のパラメーター変更で密度上限を設定でき、常時密度をレポートする機能も備えているということでした。

まとめとして山田氏は、「広告を増やすから再分配へ」というメッセージを掲げました。サイトの領域は有限であり、広告枠を増やすのではなく、ユーザー行動に合わせた配置と価値の高い位置への集中、無駄な露出の削減が今後の方向性だと述べてセッションを締めくくりました。

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《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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