ファンコミュニケーションズは2026年8月10日、2026年12月期第2四半期累計の業績が前回予想を大きく下回ったことを受け、通期業績予想を下方修正しました。同時に2025年12月期から2027年12月期を対象とした中期経営計画の取り下げも決議しました。

2026年12月期中間期の売上高は34億3400万円(前年同期比5.8%減)、営業利益は4億8900万円(同54.0%減)となり、前回予想(営業利益8億9000万円)から大きく差異が生じました。通期予想も売上高73億3000万円、営業利益12億100万円へ下方修正し、前回予想の営業利益21億8000万円から約45%の下方修正となっています。詳細は決算短信および業績予想修正のお知らせで確認できます。なお配当予想の修正はなく、年間配当21円00銭を維持する方針です。

主力事業の構造変化に直面
下方修正の主因は、主力のCPAソリューション事業における取扱高の低迷です。同事業は稼働広告主ID数が2965件(前期末3084件)に減少し、特定の主要広告主における出稿予算の縮小、コミッション率の低下が響きました。加えて、生成AIを活用した検索機能の普及により、SEO依存型のパートナーサイトへのオーガニックトラフィックが減少しており、コンバージョン数の押し下げ要因となっていることも明らかにしています。

同社は、AI Overviewの普及に伴う検索離れについて、過去の若年層のSNSシフトとは異なり幅広い年齢層に及ぶ構造的な変化であり、デジタルマーケティング市場全体にとって大きな転換点になっているとの認識を示しています。この変化に対応するため、広告主・メディア双方でAIに引用・推薦されるコンテンツ設計、いわゆるAI最適化への対応の重要性が高まっているとしています。

戦略事業は増収も収益性が課題
戦略事業の売上高は9億5300万円(前年同期比45.1%増)と伸長した一方、セグメント損失は4億7300万円(前年同期は3億3000万円の損失)に拡大しました。ファンマーケティング領域ではストック型収益が四半期ベースで過去最高を更新するなど収益基盤の積み上げが進んでいるものの、投資フェーズにある事業群が全体の収益を圧迫する構図となっています。

インフルエンサーマーケティング領域では大型案件の獲得により取扱高が伸長し、下期にかけて収益性の改善を見込んでいます。LINEマーケティング領域では、AIツールの進化を踏まえた戦略転換として、収益構造・ビジネスモデルの転換を下期に進める方針を示しました。ゲームパブリッシング事業は売上高が増加した一方、広告宣伝費と原価率の上昇が課題として残っており、原価低減に向けた施策に取り組んでいるとしています。なお、当中間期には株式会社レイリーを新たに連結子会社化し、のれん1億2364万円が発生しています。

中期経営計画の取り下げの背景
同社は2025年2月に策定した中期経営計画で、最終年度である2027年12月期の目標として連結営業利益30億円、ROE10.0%以上を掲げていましたが、今回これを取り下げました。取り下げの理由として、CPAソリューション事業における検索プラットフォームの変化に伴う事業構造の変化、および戦略事業におけるストック型収益基盤の構築に想定以上の時間を要していることを挙げています。

同社は、これらの課題は事業の方向性や成長戦略そのものを見直す必要が生じたものではなく、対応及び効果検証に時間を要する時間軸の問題であると説明しています。もっとも、2027年12月期の数値目標の達成可能性を合理的に見積ることが困難であり、実態を伴わない目標値を含む計画の継続開示は投資者の適切な判断に資さないと判断したとしています。
中期経営計画自体は取り下げましたが、同計画に記載していた基本方針及び成長戦略の方向性については変更がなく、引き続き全社戦略として実行していく考えを示しています。株主還元方針についても、2027年12月期までの配当をDOE8%程度を基準とする方針や機動的な自己株式取得の検討について、従前どおり継続する方針です。










