フランス通信社(AFP)とメディア技術企業Daletは、ニュース映像の来歴(プロベナンス)と真正性を強化するための提携を発表しました。発表はノルウェー・ベルゲンで開催されたMedia Provenance Summitで行われました(AFPリリース)。
両社は「コンテンツ来歴・真正性のための連合(C2PA)」の標準規格を、動画のエンコードおよび配信ワークフローに組み込む取り組みを進めます。AFPが編集コンテンツへのC2PA適用で積み重ねてきた先行検証と、放送局など報道機関のミッションクリティカルな制作・配信業務を30年以上支えてきたDaletの技術力を組み合わせる形です。
AFPは2024年の米大統領選挙で、写真部門が来歴情報を編集コンテンツに付随させる実証実験(POC)を実施済みです。今回の提携では、この取り組みを動画領域に拡張し、両社のエンジニアが完全に機能するPOCを共同開発します。完成予定は2027年第1四半期で、通信社が動画にC2PAコンテンツクレデンシャルを付与し、来歴と履歴を検証可能な形で放送局に配信できることを実証する計画です。
AFPで動画部門を統括する副報道局長のギヨーム・メイエ氏は、AI生成コンテンツがオンライン上や報道におけるイメージへの公衆の信頼を損ないかねない現状に触れ、コンテンツの真正性が大きな課題になっていると述べています。EU AI法第50条は2026年8月以降、生成されたコンテンツのみにその旨の表示を義務付けていますが、メイエ氏は「AIによるものか否かを問わず、すべてのコンテンツに電子透かしを施すことがメディアへの信頼強化につながる。C2PAは現場取材による本物のジャーナリズムに検証可能な証明書を付加するものだ」と、規制の範囲を超えた対応の必要性を強調しています。
AFPのフィル・チェトウィンド報道局長も「情報エコシステムがますます複雑化する中、人々がそれを読み解く手立てをメディアが用意することが急務だ。C2PAプロジェクトは来歴を明確に示すことで、質の高いコンテンツへの信頼水準を引き上げる可能性を持つ心強い一歩だ」とコメントしています。




