note株式会社は10月6日、2026年11月期第3四半期(2025年12月~2026年8月)の決算を発表しました。売上高は4,058百万円で前年同期比33.2%増、営業利益は849百万円で同567.0%増となり、主力のメディアプラットフォーム事業に加えてAI関連事業の拡大が業績を牽引しました(決算短信)。
調整後EBITDAは923百万円で前年同期比452.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は994百万円で同368.1%増と、各段階利益とも大幅な伸びを示しています。通期予想に対する進捗率は売上高71.8%、調整後EBITDA75.7%で、会社は想定通りの進捗としたうえで、営業利益や経常利益、純利益については通期予想に対して上振れでの着地を見込むと説明しています(決算説明資料)。
セグメント別の状況
第1四半期からAI関連事業を新設し、報告セグメントを「メディアプラットフォーム事業」「IP・コンテンツクリエーション事業」「AI関連事業」の3区分に変更しています。中核のメディアプラットフォーム事業は売上高3,743百万円で前年同期比24.9%増となり、CtoCの「note」は会員登録者数が2026年8月末時点で1,313万人、公開コンテンツ数は8,993万件に拡大しました。

法人向けSaaSの「note pro」はARRが839百万円で前年同期比29.5%増と伸びており、機能拡充や営業強化、「note」の成長に伴う企業側の認知度向上が利用企業数の増加につながっています。IP・コンテンツクリエーション事業はTales & Co.が中心となり取扱作品の拡充を進めているものの、セグメント損失は24百万円となりました。
AI関連事業は経済産業省とNEDOが実施する生成AI開発プロジェクト「GENIAC」の採択事業を中心に推進し、売上高250百万円、セグメント利益28百万円を計上しています。

AI時代のコンテンツ流通インフラを目指す戦略
同社は生成AIの普及によって情報流通の仕組みが不可逆に変化していると位置付け、作品・商品ごとに情報を集める「AIコンテクストネットワーク」を中核に据えたコンテンツ流通インフラ構築を事業戦略の柱としています。一方でスパムコンテンツの増加や著作権に関する課題も指摘されるなか、プラットフォームとしての信頼性・安全性の確保を重要な経営課題として挙げています。

生産性向上の取り組みとしては、全社員にClaudeを配布し「AIDXブートキャンプ」などを通じて各部門での活用を浸透させるとともに、経営陣やマネージャー向けにもCSOの深津氏主導でClaude Codeの研修を実施しています。開発・運用の現場でも要件定義から設計、コーディングまでAIエージェントを組み込んだフローを採用し、少人数でのスピーディーな開発体制を構築しています。

こうしたAI活用は数字にも表れており、売上高が成長する一方で人員数は横ばいで推移し、売上高人件費率は継続的に低下しています。営業利益の増減分析では、売上高増加が利益成長の主因としつつ、AI利用料を含む通信費の増加はあるものの人件費・業務委託費の抑制に寄与したと説明しています。今後も人員はビジネス部門を中心に厳選採用を続ける方針を示しています。
会社は事業KPIとして「note」の流通総額(GMV)と「note pro」のARRを重視する姿勢を示しており、2026年8月末時点の流通総額は6,553百万円で前年同期比18.3%増と高水準を維持しています。4Qについては、GENIACプロジェクトの進捗によるAI関連事業の拡大を中心に各事業の成長が続くとの見通しを示しました。






