丸善CHIホールディングスは2026年9月11日、2027年1月期第2四半期(中間期、2026年2月1日~7月31日)の決算を発表しました。売上高は前年同期比2.5%減の902億24百万円、営業利益は同8.1%増の30億70百万円となりました。
前期に計上された大阪・関西万博オフィシャルストア運営による特需の反動で減収となった一方、複数事業の収益性改善が進み増益を確保した形です。
通期の業績予想は174,000百万円、営業利益40億円のまま修正していません。期初予想を据え置いた理由として同社は、下期以降の最低賃金上昇や資材価格高騰による人件費・コスト増に加え、中期経営計画の施策推進に伴う投資や初期支出を見込んでいることを挙げています。(決算短信)
セグメント別に明暗 図書館サポート事業が牽引
セグメント別では、図書館サポート事業が受託館数の増加を背景に増収増益となりました。2026年7月末時点の受託館数は期初から29館増の1,880館(公共図書館630館、大学図書館263館、学校図書館等987館)に達し、同社は公共図書館・大学図書館の業務受託シェアでトップクラスにあるとしています。人件費や光熱費の上昇が続くなか、受託館拡大による業績寄与と業務効率化によって収益を確保しました。

一方、店舗・ネット販売事業は、前期に万博会場内オフィシャルストアの収益貢献が大きかった反動で売上高が9.5%減、営業利益は42.6%減となりました。ホビー系リユース事業「駿河屋」のFC店舗は新規3店舗を加え計13店舗となり、新規・既存店ともに好調に推移したほか、文具・雑貨販売もシール関連商品を中心に伸長しましたが、特需の反動を吸収するには至りませんでした。

文教市場販売事業は、大学・公共図書館向けの書籍販売が引き続き低調に推移し減収となったものの、教育・研究施設や図書館の設計・施工案件で比較的利益率の高い案件が完工したことなどから営業利益は11.7%増となりました。出版事業は専門書・児童書ともに堅調に推移し、前年同期の営業損失から黒字へ転換しています。その他事業も総合保育サービスや店舗内装業の伸びにより増収増益となりました。

中期経営計画の3本柱と事業ごとの課題認識
同社は現在、5カ年の中期経営計画の3年目にあり、「グループ資産の活用促進」「成長領域の創出」「収益構造の転換」を基本方針に掲げています。知の生成と流通への貢献を軸に、成長力と資本効率の向上を目指す方針です。
事業別の取り組みとしては、文教市場販売事業で不採算事業の縮小、基幹システムの見直し、人員再配置による事業構造改革を進めるとともに、専門書の電子書籍読み放題サービスや事業シナジーの高いM&Aによる新規事業領域の拡大を掲げています。公共図書館向けでは「週刊新刊全点案内」のWeb化や装備コストの見直し、大学向けではキャンパスショップの業務見直しによる効率化も進めました。
店舗・ネット販売事業では、コンテンツホルダーやエンタテインメント事業者との連携による店舗活用企画、海外展開を見据えた業務提携・M&Aの推進を課題に挙げています。店舗網では「ジュンク堂書店 南船橋店」の閉店や「旭川店」の移転再オープンなど、立地の見直しも進めており、2026年7月末時点の店舗数は海外店2店舗を含め117店舗となりました。図書館サポート事業では、公共図書館運営で培ったノウハウを活かし、複合施設など図書館周辺領域への事業展開を目指すとしています。

株主還元については、総還元性向を指標と位置づけ、2029年1月期までに配当性向30%の実現を目標としています。2027年1月期期末配当は1株当たり6円を予定しており、期初予想からの変更はありません(決算説明資料)。






