グノシー、Adjustのアドフラウド対策で1ヶ月3万件の不正を検出

モバイル計測およびアドフラウド防止サービスを手掛けるadjust(アジャスト)株式会社(独・ベルリン)は1月31日、株式会社Gunosyが提供するニュースアプリの「グノシー」における「Adjust」のアドフラウド防止機能導入事例を発表しました。 情報キュレーションメディア…

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グノシー、Adjustのアドフラウド対策で1ヶ月3万件の不正を検出

モバイル計測およびアドフラウド防止サービスを手掛けるadjust(アジャスト)株式会社(独・ベルリン)は1月31日、株式会社Gunosyが提供するニュースアプリの「グノシー」における「Adjust」のアドフラウド防止機能導入事例を発表しました。

情報キュレーションメディア「グノシー」は、2013年のサービス開始からユーザーダウンロード数が2019年1月現在で2,700万を超え、幅広い年齢層に人気を集めています。政治経済や国内ニュースを取り扱う「ニュースパス」と、20代から30代の女性ユーザーにトレンド情報を発信する「LUCRA」を展開しています。メディア事業のほか、「Gunosy Ads」や「Gunosy Ad Network」等の広告事業も行っています。

新聞や雑誌の購読者数が減少傾向にある一方、日本国内のニュースアプリの利用者数は、年々急上昇しており、ICT総研によると、2017年度末のニュースアプリ利用者は4,683万人を超え、2020年度末には5,630万人までになると予測されています。国内のニュースアプリの中でも、グノシーはもっとも人気のあるアプリの一つです。

近年の広告業界の健全性をゆるがす深刻な問題にアドフラウドが注目を集めています。現在の日本のモバイル広告不正発生率は10%から20%を超えていると言われていますが、潜在的にはそれ以上の広告被害があることも推測されています。アドフラウド対策を行なっている企業がまだまだ少ない中で、Gunosyはアドフラウドの問題をいち早く認識し、対策に取り組んできたといいます。

「Adjust」は、Facebook、Twitter、Google、LINE、Snap、WeChatの正式マーケティングパートナーで、国内外の主要広告ネットワークパートナーとも連携済みで、楽天、リクルート、グリー、ディー・エヌ・エー、メルカリなど国内400社以上のトップパブリッシャーを始め、マイクロソフト、Zynga、Spotifyといったグローバルブランドを含む25,000以上のアプリで、パフォーマンス向上のために「Adjust」のソリューションを導入しています。

「Adjust SDK」搭載のアプリのアクティブユーザーは世界で13億を超えていて、クラウドサービスを使用せず自社サーバーからサービス提供しています。透明性の高いオープンソースのSDKや、長期間のデータの保存が可能なこと、取得できるデータの多様性と正確性、さらにアドフラウドをリアルタイムで除外する機能などが「Adjust」の強みとなっています。

2018年12月、「Adjust」はマルチキャンペーン管理プラットフォーム「Acquired.io」を買収しました。2019年1月にサイバーセキュリティならび人工知能の開発を専門とした「Unbotify」を買収しました。これらは、広告主のマーケティング活動を一元化して最高級の製品を構築するという「Adjust」の企業目標への取り組みの一部として実現されました。

今回の導入事例は、Gunosyのメディア運営推進部プロモーションチームマネージャーの石渡貴大氏からのヒアリングを元に作成し、Adjustのアドフラウド防止機能を導入した背景やアドフラウドの見分け方、検出された不正タイプと不正インストール数、さらに導入後に改善された点を事例として紹介しています。

導入背景

グノシーのプロモーションチームは2017年春、アプリキャンペーン拡大のために配信ネットワークを増やし、「Adjust」から受信するログデータの分析を始めました。その中、継続率(インストール後にアプリを使い続けるユーザーの率)の配信ログに不自然な数字の動きが見られたため、分析したところアドフラウドの被害に遭っていたことが判明しました。

石渡氏とプロモーションチームは、ログデータの確認作業や返金交渉を行う時間のロス、アドフラウドによる広告コストの削減のため、不正検知と除外をオートメーションすることが可能な「Adjust」のアドフラウド防止機能を導入しました。

検出された不正タイプ

ツール導入後の5つの改善された点

1. 無駄な広告予算を削減することが可能に

グノシーは「アドフラウド防止機能導入費用の10~20倍のコスト削減ができる」ようになり、データを歪め、広告効果の判断に影響を及ぼす不正を排除することにより、より正確なデータでマーケティング施策を実施することができるようになりました。

2. 不正検出のために費やしていた時間を削減

「Adjust」はアドフラウドを瞬時に検知し除外することが可能です。大規模の配信ログから不正を特定する作業をツールでオートメーション化することにより、「本質的なマーケティング施策を考える部分に時間を使える」ようになりました。

3. 媒体との返金交渉の手間を削減

正常なインストールと不正なインストールを媒体側に分けてポストバックすることで、媒体との返金交渉の手間が省けるようになりました。

4. 不正の多い媒体の特定が可能に

アドフラウドが多いネットワークを明確にし、信頼できる媒体のみを利用することで、導入時と比較して、受信するアドフラウド自体を削減することに成功しました。

5. 新規媒体の利用もチャレンジしやすい

リアルタイムで不正検知・除外を確実に行うため、新規ユーザーの開拓やキャンペーンを、多少リスクがあったとしても新たな媒体を通して行うことができるようになりました。

Adjust 日本カントリーマネージャーの佐々直紀氏は、「アドフラウドは、モバイル業界に携わる全ての広告主やネットワーク、代理店などが協力して取り組まなければ解決できない問題です。モバイルアプリ広告の信頼と価値を守るために、Adjustも業界全体の共通認識と効果的なアドフラウド対策の開発に全面的に貢献していきたいと考えています。アドフラウドについての認識はありながら、具体的にどのような対策をとったら良いか迷われている方は、今回ご紹介した事例を参考にしていただけると」とコメントします。

株式会社Gunosy メディア事業本部メディア運営推進部プロモーションチーム マネージャーの石渡 貴大氏は、「アドフラウドの被害に遭っていることが発覚してからアドフラウド防止機能を導入するまでは、取引していた媒体に配信枠の精査や返金交渉する日々が続きました。その当時はアドフラウドの存在自体を説明するだけでも大変苦労しました。気が付かないうちにアドフラウドの被害に遭っている企業も多くあるかと思います。業界全体のアドフラウド撲滅に向けて、私も貢献していきたい」とコメントします。

《Nakashima Takeharu》

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Nakashima Takeharu

「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

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