メディアの信頼性、表現の自由と規範、ビジネスと経営など5社が激論・・・JIMA設立記念シンポジウムレポート

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アップルはストア支配への批判にどう応える?…Facebookには手数料免除を決定、Spotifyなどは反アップル連合を立ち上げ

  米国でもGAFAに対する反トラスト法(独占禁止法)での調査が進んでいますが、その中の一社、アップルに対する開発者の反乱とも言うべき動きが広がりを見せています。 アップルはフェイスブックが求めていたオンラインイベントへの決済で手数料を取らない事を年末までの時限的な措置ながら認めました。一方で、スポティファイやエピック・ゲームスなどApp Storeの改革を求めるグループは連合を結成しロビー活動を行っていくと、より積極的なアプローチを開始しました。 アップルは今後どのような対応を取るのか、その際の選択肢として考えられるものは何か、解説します。 フェイスブックとの休戦? 8月にフェイスブックがオンラインイベントの支援のための機能を導入した時、同社は新型コロナウイルスによって苦境にある中小事業者がオンラインイベントで収益化する支援のためとして当面の間、自社の決済システムFacebook...

グーグルがデジタルメディア成長をサポートする無料のオンラインコースを公開【Media Innovation Newsletter】9/27号

毎週末発行、メディア業界の一週間を振り返る「Media Innovation Newsletter」です。今週のテーマ解説では、グーグルが開設したオンラインコースについて書きます。 メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、人気記事を紹介していきます。バックナンバーはこちらから。 今週のテーマ解説 グーグルがデジタルメディア成長をサポートする無料のオンラインコースを公開 新型コロナウイルスによる変化は数多くありますが、対面での活動が制限された事によって教育の機会も制約を受ける事になりました。学校教育がオンライン化されたのと同様に、社会人のスキル開発も同様にオンライン化が促進されています。

有力エンタメメディア「Variety」「Rolling Stone」「Hollywood Reporter」「Billboard」が一つの会社に…PenskeとMRCが合弁会社

多数のエンタメメディアブランドを有するライバル関係にあったPenske Media CorporationとMRCが幅広いパートナーシップに合意し、合弁会社の元に有力なブランドが揃う事になりました。 新たに設立されるPMRCでは、Penskeの保有するメディアのうち「Variety」「Rolling Stone」「Music Business Worldwide」と、MRCの保有する「The Hollywood Reporter」「Billboard」「Vibe」を移管。この会社はPenskeが主導し、同社のメディアプラットフォームを活用して事業拡大を目指すということです。 またパートナーシップではもう1社の合弁会社が設立予定(社名未定)で、こちらは両社の持つブランドを活用したコンテンツなどのIP開発を目指し、MRCが主導します。MRCでは同社がプロデュースしてNetflixでヒットしてエミー賞にもノミネートされた「オザークへようこそ」やアカデミー賞にノミネートされた「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」を始め「The Great」「The Outsider」「Golden Globe Awards」「Fyre Fraud」などの映像作品の実績があります。また、ライブイベントの「Billboard Music...

FacebookとGoogleに頼れない世界で、メディアは多様な収入源の確保が急務に

ニュースメディア分野に対する改革に関する最近の批判を見ると、GoogleとFacebookだけがこの分野の唯一のプレイヤーだと思ってもおかしくないでしょう。
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北島友和
大学院修了後、約4年の編集プロダクション勤務を経て、2006年にイード入社。およそ10年間、レスポンス・RBB TODAY等の編集マネジメントやサービス企画を担当。その後2016年にマーケティングコンサルティング会社に転じ、メディア運営の知見を生かした事業会社のメディア戦略やグロース支援にプロマネとして携わるほか、消費財メーカーの新規事業・商品企画・コミュニケーション戦略立案等の支援に従事している。

6月8日、ヤフーが入る紀尾井町タワーの同社セミナールームにて、インターネットメディア協会(JIMA)の設立記念シンポジウムが開催されました。

JIMAは、ネットで情報を発信する様々なメディアと広告や配信プラットフォームなどを含むメディアに関連する事業者で構成する団体で2019年4月に設立された業界団体。現在はスマートニュース メディア研究所所長の瀬尾傑氏が代表理事を務めています。

今回開催されたシンポジウムは二部制となっていて、第一部は「メディアの創造性と信頼を得るためにいま成すべきこと」と題したパネルディスカッションが、第二部では令和メディア研究所 主宰 下村健一氏によるメディアリテラシー講座が行われました。本稿では第一部パネルディスカッションについて報告します。

(左から)東洋経済オンライン 編集長 武政秀明氏、ジェイ・キャスト 執行役員 蜷川聡子氏、BuzzFeed Japanシニアフェロー 古田大輔氏、翔泳社 MarkeZine 編集長 安成蓉子氏、JX通信社 代表取締役 米重克洋氏、NHK報道局 ネットワーク報道部 専任部長 熊田安伸氏

パネルディスカッションに登壇したのは、NHK報道局 ネットワーク報道部 専任部長 熊田安伸氏、BuzzFeed Japanシニアフェロー 古田大輔氏、ジェイ・キャスト 執行役員 蜷川聡子氏、翔泳社 MarkeZine 編集長 安成蓉子氏、JX通信社 代表取締役 米重克洋氏の5名。それに加えて、東洋経済オンライン 編集長 武政秀明氏がモデレータとして参加した。いずれも電波・Web・紙というジャンルは異なれど、メディア運営あるいは編集の第一線で活躍している面々です。

今回のシンポジウムのテーマとして挙げられたのは次の3点。

(1)信頼されるメディア運営とは?
(2)表現の自由と規範をどう支えるか
(3)メディア経営をどう考えたらいいのか

順を追って各論者の発言をまとめてみます。

信頼されるメディア運営に必要な要件は「メディア自らが信頼の証を見せること」

まず古田氏は、「信頼されるメディア」を満たすための要件として「(メディアが)読者に対して誠実な情報発信をすること」「信頼されるメディアであることを自ら証明すること」、そして「テクノロジー・データを開示すること」という3点を挙げました 。古田氏は、特に2番目の項目に関して、メディア自身が信頼性を表明するために、NYタイムズの取り組み例を挙げ、「署名の向こう側、ルポなど書いた人がその記事が書かれた舞台裏・スクープの裏側を書くこと」の重要性を説きます。

BuzzFeed Japanシニアフェロー 古田大輔氏

NHKの熊田氏は「(一次情報に接触する)我々メディアにこそ説明責任があるが、これまで(NHKを含めた)レガシーメディアは発信し切れていなかった」と語りました。「記者が綿密な取材を通じて得た情報のうち、報道されるのはごくわずかに過ぎない。そこで政治部の記者が署名入りで執筆しているWebコンテンツ『NHK政治マガジン』では、これまで書ききれなかったことをそのまま伝えることに取り組んでいる。読む側が判断するための材料を提供することで、(メディアとしての)信頼を獲得するようにしている」と現状の取り組みを説明しました。

一方でMarkeZineの安成氏は、「信頼されるコンテンツを発信することは大事だが、コンテンツ制作に当たってはメディアそのもののビジネスがきちんと回っていないといけない」と指摘。「テクノロジー化した広告モデルを作れるか。広告モデルをきちんと回していくことが必要。PVは取れているが、広告で苦労しているメディアは多い」と述べ、収益を確保できていることが信頼に足るコンテンツを生み出すための前提になっているとの認識を示しました。

 メディアビジネスが成立していてこその「信頼」

安成氏の発言を受けて、J-CASTの蜷川氏も「メディアはボランティアでやっているわけではない。13年前にJ-CASTを始めた頃に比べれば、運用型広告の登場やCMS(Content Management System)の普及などで収益環境は良くはなっている」と述べながら、参入障壁が下がったことによって「ビジネスをやりたいときにメディアを簡単に作れるので、お金を稼ぐためのコンテンツを量産する企業が増えてきた」と語り、昨今のフェイクニュースや釣り記事の増加などの弊害が生まれていると言及しました。

BuzzFeedの編集長経験を通じて「ネット専業のメディアにとっては(収益)状況は良くなってきた」と話す古田氏は、「旧来のメディアはコスト設計がキツい。新聞ならば輪転機、配送網を維持するだけでも莫大なコストがかかる。現状ネットメディアで稼げているのはせいぜい数十億円程度」と指摘。現状のネット媒体の収益程度では既存メディアのビジネス規模を維持するのは困難と語ります。

J-CASTの蜷川氏は、「専業メディアは儲かっているといっても、給料は大手メディアほどもらっていない」と自嘲気味に語りつつも、「(ネット専業メディアは)調査報道をやりたくないわけではなく、できない。日本の広告費はネットが伸びているというが、とあるPR会社ではリリースを送るメディアの数は2000を超えたと聞いた。これだけ媒体が増えている現状では、ネットメディアも決して美味しい市場ではない」とネット専業メディアのビジネス環境の厳しさを指摘します。

ジェイ・キャスト 執行役員 蜷川聡子氏

こうしたメディアの乱立状態で一頭地を抜くための方策としては、古田氏は「(コンテンツの)ポートフォリオを組むこと。そして、従来のメディアが得意としない領域でコンテンツを作って行くこと」という差別化戦略が重要であると強調しました。

一次情報メディアもネットメディアの手法を取り込むべき

古田氏や熊田氏が語るように、調査報道がメディアの信頼性を担保するものであることは疑いがありませんが、取材には莫大な人手と時間を要し、大手メディアといえども決して小さい出費ではありません。ましてや、「テレビ離れ」「新聞離れ」と騒がれ経営環境が厳しさを増すなかで、「メディアとしての信頼性担保」と「コスト削減」という両面で大きな課題を抱えているのが現状です。こうした状況をどう捉えているのでしょうか。

JX通信社の米重氏は、「(大手メディア)は選挙では情勢報道をするときに膨大なコストをかけて調べる。それによってマスコミの選挙報道は正確だよね、という信頼を獲得できた。しかし、最近はコスト削減を強いられるあまり調査自体もできない選挙が増える。情勢調査をしないのに情勢報道をする。それではネットメディアと大差がない。信頼を損ねることに繋がりかねない」(米重氏)。

JX通信社 代表取締役 米重克洋氏

「他社に聞くと取材しきれないという嘆きの声もしばしば耳にする」というNHKの熊田氏は「NHKでも働き方改革が進められており、やたらめったらな調査はできなくなっている。テクノロジーの導入もそうだが、メディア同士のコラボでなんとかできる可能性もある」としてメディアどうしが連携した共同取材への取り組みについての可能性を示唆しました。

古田氏は「日本には1万9000人の記者がいるが、コストをかけて取材しているのに同じような記事が出てコモディティ化しているのが現状。それをネットメディアがコピー&ペーストして二次情報として記事化している。こうした動きに対して、NYタイムズなどは一次/二次両方の記事を出している。一次情報を握っているのは新聞記者の方々。きちんとユーザーにとって有益な情報が回るのかという視点に立って、情報を取ってきたところにお金が回れば良い」と語り、一次情報メディアのコンテンツの出し方にはまだまだ工夫の余地がある、という認識を示しました。

表現の自由と規範をどう支えるか…PV至上主義は是か非か

続いてのテーマは「表現の自由と規範をどう支えるか」。主たるイシューは、ネットメディアやSNSで拡散するフェイクニュース、あるいはヘイトクライムのようなコンテンツに対してどうJIMAとして取り組むべきか、という議論です。

ここでも口火を切ったのは古田氏で、JIMAの設立趣旨について「JIMAは検閲機関ではなく、何がよりよい情報発信なのかを議論していく場」として位置づける。J-CASTの蜷川氏はJIMAへの入会に際し、「参加しているメディアがジャーナリズムの人達なので参加を迷った」と明かしながらも、「コンテンツに関してもビジネスモデルに関しても縛りすぎない方がいい。ネットはこうであるべきだと決めつけずに新しいメディアが出てくればいい」と述べ、JIMAはあくまでも議論の場という認識に対して賛同しました。

MarkeZineの安成氏は、「生活者としていろんなネットのメディアを見て言いるとPV集めるための釣り記事もあり、メディアによってはPV至上主義的なところもある」とリーチを稼ぐための記事がネットメディアを中心に溢れていることに対して危機感を示しました。

これに対してNHKの熊田氏は、「PVをどれだけ高めたところで信頼性は高まらない。社会問題にどう向き合っていったらいいか。ぼくらがそういういろんなメディアが集まって議論して、どう言うアプローチがいいのかを話し合う場をつくる」と述べ、LGBTに関する報道のあり方を議論するメディア横断の報道ガイドライン部会の活動について紹介しました。

NHK報道局 ネットワーク報道部 専任部長 熊田安伸氏

こうした社会問題の報道についての課題は、報道をする側のみならず、キュレーションメディアやSNSなどのプラットフォーム側にもあると指摘したのはJX通信社の米重氏です。「自殺報道のあり方などはまさに、プラットフォームが直面している課題。そういうものを共有できる場があればいい。プラットフォーマーが対策できるような基準を示すことがあってもいい」(米重氏)。

フェイクニュースの氾濫を防ぐために

続いてフェイクニュースの問題に関して、古田氏は「フェイクニュース」という言葉が、米国のトランプ大統領のように「(事実に基づかない虚偽の記事ではなく)自分が気に入らない記事」のことを指すことが増えていると指摘し、別の呼び方として「ディスインフォメーション」という用語を紹介。それらの中でも「(記事中の論旨に)反証する要素を見せない、まるでそれが答えかのように見せるミスリーディングな記事」が増えていると述べました。「例えば、パンプス強制(に関する根本厚労省の答弁)の報道。どこの部分にフォーカスに当てるかによって与える印象は変わってしまう」と古田氏。発言の切り取り方によって、「メディア自身の表現もミスリーディングしている」と注意を喚起しました。

こうしたメディアによる印象操作(と思われること)を回避するために、記事中に論拠を出す取り組みについてNHKの熊田氏が説明した。同氏が「先の森友問題の報道で1番読まれた記事」として紹介したのは、「(答弁の内容改ざんの)前後の答弁そのものをPDFで比較した記事」だといいます。「生の情報を出すこともひとつのジャーナリズムだ」(熊田氏)。

日の目を見なかった社会問題を発見し世の中に告発することがメディアの役割とされてきたが、インターネットとりわけSNSの普及の出現によって、そうしたメディアの役割の再定義を迫られたと語るのはNHKの熊田氏。「メディア側は大事だと思って伝えていることでも、世の中の人は違うかも知れない。『保育園落ちた日本死ね』のケースのように、社会の問題として言語化されていなかった問題、隠れた不満・不安の断片を見つけて問題じゃないかと提起する、見つけていく(こともメディアの役割)」(熊田氏)。

JX通信社の米重氏も「今は一億総カメラマンの時代。ネットで話題になることによって、報道が認識して報道に繋がる」状況になっていると指摘。そうした現状を肯定的に捉えながらも、古田氏は「メディアの根本的な使命」について考えるべきと強調します。「もし世の中に出てくるネット上のコメントだけを見ていたら、それは世論ではなくツイッターの声の大きい人の声。我々メディアは何のために情報発信をしているのかという理念をメディアごとに持っていないと、PV至上主義に陥る」(古田氏)と警告します。

(左から)ジェイ・キャスト 執行役員 蜷川聡子氏、BuzzFeed Japanシニアフェロー 古田大輔氏、翔泳社 MarkeZine 編集長 安成蓉子氏

メディアの指標管理とビジネスの考え方

PV至上主義の話に戻ったところで、改めて「メディア経営をどう考えたらいいのか」というテーマについて、J-CASTの蜷川氏がネット専業メディア立場から次のように切り出しました。「PV至上主義をやめようといっても、PVを全く見ないのも良くない。読まれないものは影響力がないもの。単にPV至上主義反対だけは言って欲しくない」(蜷川氏)。

JX通信社の米重氏は、「PVは数あるうちのひとつの指標に過ぎない。滞在時間とか、他の指標に注目して、指標設計をおこない、課金なり広告なりを最大化できるか考えている」と語るが、MarkeZineの安成氏は「コンテンツの信頼性をデータでどう可視化して、会員化したのかあるいは課金に繋がったのか、どの指標を見ていけばいいという答えはまだないというのが現状」とKPIとビジネス目標の関連の読み解きには課題があると述べます。

こうした指標設計についての課題について、古田氏は「見るべき指標は各メディアの思想とビジネスモデルに関わる部分」と指摘。「(広告モデルであれば)PVが上がれば広告収入が増えるからPVを稼ぐコンテンツを出す。一方で、課金モデルであれば、そのメディアに関心ない人が100万人来るよりはコアなユーザーが10万人いた方がビジネスになる。誰に見せたいのか、どう言うモノを見せたいのかという思想が、指標の設定に関わってくる」(古田氏)。J-CASTの蜷川氏も、「受け手(読者)・支え手(広告主)も巻き込んでやっていかないとメディアビジネスは成長しない」と述べました。

モデレーターを務めた東洋経済オンライン 編集長 武政秀明氏

書き手のブランディングも媒体ブランディングに繋がる

最後に出たのはメディアをいかにブランディングしていくか、という話題です。この問いに対して古田氏は、自身が編集長を務めてきたBuzzFeedを例に挙げ、「BuzzFeedはニュースもエンタメも扱っているが、それぞれ読む層は全然違う。アカウントをフォローしてもらう、シェアしてもらうといった反応を重視する」と語り、エンゲージメント指標管理の重要性を指摘。

さらに古田氏は「私は月に1回くらいしか記事書けないが、自分が書いた記事の読者の滞在時間は長いしシェアも多い。自分の記事を楽しみにしてくれる読者の期待値を考えて書いている」と述べ、読者を理解し、そのニーズに応えるためのコンテンツづくりが肝要と説きます。古田氏はまた、記者個人のブランディングにも言及し「そうすることで記者のファンも増え、媒体のファンも増える。いろんなタッチポイントをつくっていく。記者は黒子、というのだけでは現実的には難しい」(古田氏)。

他方、蜷川氏は多様性が保証された自由なコンテンツの流通を望む意見を呈示する。オカルト系メディアを例に挙げ、「人によってはフェイクニュースに見える媒体でも、読者はその世界を楽しみたい人が分かって読んでいるからフェイクではない」(蜷川氏)。異質な文化を許容する「自由なコンテンツ流通」のあり方を提案しました。

コンテンツ流通に関して、MarkeZineの安成氏は「これまでのマスメディアは良いコンテンツを作っていればたくさんの人に読まれていたが、今はディストリビューションのチャネルをいかに拡大して行くかが重要。新しい編集者に求められるスキルは増えてきていると感じる」と述べ、多様化するメディアビジネスにおいて編集者に求められるスキルセットが高度化していることを指摘。

翔泳社 MarkeZine 編集長 安成蓉子氏

労働集約的なビジネスだったメディア経営については、ディストリビューションだけなく、コストも無視できない要件」と言うのはJX通信社の米重氏。働き方改革や人材不足に陥る今後を考えれば、従来の労働集約型では難しい。このため、自動化・機械化を推進していくために「組織の中に柔軟に動けるエンジニアが必要。エンジニアリングが課題を解く鍵になるのかなと感じている」(米重氏)。

コンテンツ制作の面では、先に出たメディア連合による共同制作コンテンツの可能性について、NHKの熊田氏は西日本新聞社が中心に取り組んでいるオンデマンド調査報道を例に挙げ、今後の可能性について期待を示しました。「全国のブロック紙が手を組んで、特定のテーマについて各ブロック紙が報道している。例えば選挙報道もそういうことができる」と語り、JX通信社の米重氏も「コストを減らすという観点でも重要」とその意義を説き、「通信社という機能の再定義が必要になる」と述べ、既存メディアのあり方に一石を投じる試みという認識を示しました。

イベントを終えて…JIMAの立ち位置が明確になったシンポジウム

ネットメディアとその業界が抱える課題は多岐に渡ります。メディアとしての信頼性をいかに担保するか、GAFAに代表されるプラットフォーマーに広告周りを握られている厳しい収益環境とコストの問題、メディアが乱立する中での差別化、人手不足や働き方改革への対応、LGBTやヘイトクライムに関しての報道倫理のあり方等々…。今回のイベントは、メディアが共通に抱えるこれらの課題を話し合う場としてのJIMAという位置づけが明確になったシンポジウムと言えます。

ディスカッションの最後で古田氏が「インターネットは社会の要であり、そこに情報を発信しているメディアはとても責任が大きい。ネットをより良くしていくことは1社ではできない。同じ志をもつ会社が一緒にやっていく」と語りましたが、今回登壇した5名のメディアカテゴリーも立ち位置も様々でありながら、自由で多様な議論を受け入れる懐の深さも感じ取れました。今後も継続的な議論と情報発信を期待したいと思います。

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米DIGIDAYの編集長兼社長が退社し、自身でニュースレターを開始へ

マーケティングとメディアのデジタルトランスフォーメーションを促すコンテンツやサービスを提供する業界メディア「DIGIDAY」の編集長で社長を務めているブライアン・モリッシー氏が今月末で米DIGIDAY MEDIA社を退社することが明らかになりました。 モリッシー氏は2011年3月からDIGIDAYの運営を行い、編集、製品開発、クリエイティブ、イベントプログラミングなどに携わっていました。DIGIDAY社では現在、DIGIDAYのほか、Glossy、Modern Retail、Customなどの業界メディアも展開しています。DIGIDAYとGlossyは日本ではメディアジーンがライセンスを受け展開しています。モリッシー氏は、Adweekの編集者として6年間デジタル広告業界に携わっていた経験もあります。 モリッシー氏は今後、「What comes next in media」というメディアの再起動に関するニュースレターを自身で開始することを計画しています。DIGIDAYなどのメディアを長年手掛けてきた経験から今後のメディアを占うということで、非常に興味深いものになりそうです。 https://twitter.com/bmorrissey/status/1308440417013239809

ニューヨークタイムズ社の会長が退任、後任は息子のA・G・ザルツバーガー氏…デジタル化を強力に推進

ニューヨークタイムズ社は現地時間23日に、現在会長を務めるアーサー・オークス・ザルツバーガー・ジュニア氏(69)が今年12月31日をもって会長および取締役の職を息子のA・G・ザルツバーガー氏(40)に交代し、自身は名誉会長職に退くことを発表しました。 ザルツバーガー・ジュニア氏が会長を務めていた4年間で、タイムズ社は61個ものピューリッツアー賞を獲得しました。また、メディア環境の変化に対応するべく、同社のデジタル化を押し進め、サブスクリプションビジネスを繁栄させました。また、息子でありタイムズ社の編集者を務めていたA・G・ザルツバーガー氏とともにタイムズにおけるオーディオ、マルチメディア、その他新たなフォーマットへの拡大を先導しました。結果として現在、タイムズのサブスクリプションは世界中のほぼすべての国に普及し、総計650万件にのぼります。 ザルツバーガー・ジュニア氏は「この素晴らしい組織で、多くの優秀なジャーナリストと一緒に仕事ができた事は私の人生の幸運でした。古いことわざに"栄冠を身に付けるのは良いが、決して休んではならない"という言葉があります。私はA.G.がジャーナリストに力を与えて、タイムズの野望を拡大するために、決して休まないと知っています。ダイナミックな新しいCEOと、世界を代表するジャーナリスト達によって、最高のものは、これからやってくると確信しています」と述べています。 A・G・ザルツバーガー氏は「編集人兼会長として、アーサーは創業者のアドルフ・オックス以来、誰よりも多くの変化をタイムズにもたらしました。彼の在任期間で、一面にカラー写真が乗るようになったことから、ARを使ったジャーナリズムまで数え切れないくらいの変化が起こりました。彼はその間、安定した手腕と、健全な判断力、そして独立性への揺るぎないコミットメントを提供しました。今日の私達の成功は彼の長期的な視点、技術革新の受け入れ、質の高いオリジナルなジャーナリズムへの持続的な投資によるものです。私はアーサー氏の素晴らしい遺産の上に仕事ができることをとても興奮しています」と述べました。

お知らせ

今月の特集は「メディアのビジネスモデルとしてのコマース戦略」…30日には5社登壇のイベント開催!

Media Innovationの毎月ギリギリになって開始される特集企画、今月は「メディアのビジネスモデルとしてのコマース戦略」というテーマで取材多めでお届けします。また、オンラインイベントは30日(水)に決定。今月は5社に登壇いただき、各社それぞれのメディアのビジネスモデルにおけるコマースの展開についてお話いただきます。 ちなみに、新型コロナウイルスよって注目度が増しているオンラインコマースということで、2ヶ月連続での特集企画となります。9月はメディアにとってのコマース、10月はコマースにとってのメディア(化)というテーマでお送りします。ぜひお楽しみに。 Media Innovation Meetup #19 メディアのビジネスモデルとしてのコマース戦略

9月は4件のイベントを実施します、お見逃しなく!広告、M&A、出版、EC

毎月イベントを実施しているMIですが、今月は4件のイベントを予定しています。ぜひスケジュールを開けておいていてください。 8日(火) 嫌われモノ(?)のネット広告で、「ウェブメディア」はマネタイズし続けられるか? まず8日には『嫌われモノの〈広告〉は再生するか 健全化するネット広告、「量」から「質」への大転換』(イースト・プレス)の刊行を記念したトークイベントを、著者の境治氏と、株式会社スケダチ代表、社会情報大学院特任教授で、マーケティングの専門家である高広伯彦氏を招いて開催いたします。司会はMIの運営メンバーで、メディアに精通するジャーナリストの堀鉄彦氏です。 ■嫌われモノ(?)のネット広告で、「ウェブメディア」はマネタイズし続けられるか?『嫌われモノの〈広告〉は再生するか』刊行記念 高広伯彦× 境治トーク配信・日時 9月8日(火)19:00~20:30・主催 Media Innovation(株式会社イード)・会場 オンライン配信のみとなります。チケット購入者にはZoomの参加URLをお送りします・価格 3,000円

8月特集は「独立系メディアの新潮流」、イベントは26日(水)に開催します!

MIの8月特集は「独立系メディアの新潮流」をスタートいたします。 新型コロナウイルスによってメディア業界では多数の雇用が失われています。メディアを支えていた広告が消失し、サブスクリプションは伸びているものの、自重を支えられない企業が続出しています。そんなメディアから独立してメディアを立ち上げる編集者やジャーナリストも増えています。それを支えるプラットフォームも大きく成長しています。そんな「独立系メディアの新潮流」を追ってみたいと思います。 8月26日にオンラインイベント「Media Innovation Meetup Online #18 独立系メディアの新潮流」も開催。ブロガーとして、経営者として個人のエンパワーメントに取り組んできて、現在はnoteのプロデューサーも務める徳力基彦氏と、創業したメディア企業を売却し、改めてサブスクリプション型のメディア「The HEADLINE」を展開する石田健氏の2名をお迎えして、この新たな潮流について議論します。

メディア業界求人

編集【総合自動車ニュースメディア】※アルバイト

仕事内容 総合自動車ニュースメディア「レスポンス」の編集、ライティング業務の募集です。 日本が誇る自動車産業はいま激変の時代を迎えています。 EV、自動運転、コネクテッド、シェアリングなどの話題が報道されない日はありません。 私達の最も身近な移動手段であるクルマが大きく進化しようとしています。 そんなクルマの進化を最前線で見ることのできるお仕事です。 【具体的な業務内容】 デスク業務・記事校正、写真データ整理、ロケ・取材サポートなど、レスポンスの編集業務全般。 まずは社内でデスク業務を行って頂き、その後スキルに応じて海外取材、タイアップ企画の進行等もお願いできればと考えています。 ---------- 株式会社イードが運営する「レスポンス」は月間5000万PVを誇る、日本最大級の自動車メディアです。 1999年の創刊以来、数多のクルマ情報を発信し、多くの読者の支持を集め、業界からも信頼される媒体となっています。 今までのメディアの形に囚われず、VR映像を活用した取り組みや、チャットボットでの情報発信にもチャレンジしています。 歴史的転換点にある自動車を見つめる、日本最大級のメディアでお仕事をしてみませんか? 自動車やモータースポーツへの興味・関心はもちろん、最新のIT/Webテクノロジーに関心を持つ方、ネットメディアのビジネスモデルに興味のある方、スマートフォン/タブレットなどのガジェットを使いこなしている方など、“クルマ好き+α”のスキルを編集部で活かしてみませんか? 世界中のモーターショウなど海外出張のチャンスも転がっています。 応募資格・条件 未経験OK学歴不問 ・自動車、乗り物がお好きな方 ・自ら情報発信をすることや、インターネットが好きな方 ・Webサイトを活用したビジネスに興味のある方 ・自ら作成したコンテンツを配信することに興味のある方 ※上記当てはまる方でしたら未経験の学生さんなども歓迎です! 【歓迎スキル】 ・自動車専門媒体、新聞社、ウェブ媒体での編集経験 ・カメラ(スチール、ムービー)撮影スキル ・幅広い興味と知識/語学力/企画・提案能力/人脈力 ・普通免許、二輪免許 ・英語 ※レベルは問いません 勤務地 駅から徒歩5分以内転勤なし 東京都新宿区西新宿新宿住友ビル28F(最寄駅:都営大江戸線「都庁前駅」) アクセス 都営大江戸線「都庁前駅」より徒歩1分(駅を出て正面のビルです!) JR「新宿駅」より徒歩10分 丸の内線「西新宿駅」より徒歩5分 西武新宿線「西武新宿駅」より徒歩14分 勤務時間 完全土日祝休み10時以降に始業 10:00 ~ 19:00 勤務時間応相談 1日6時間以上勤務の場合は休憩60分 【勤務条件】 週3~5日(基本10:00~19:00※残業あり※応相談) ※土日・祝日は休業日となります。 ※上記時間での勤務が難しいという方もご相談下さい 給与 時給 1,100円以上 休日休暇 年間休日120日以上 福利厚生 交通費支給あり ■社会保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)※対象者 ■通勤手当全額支給(月100,000円まで) ほか

Web広告営業(プロデューサー候補)

仕事内容 まずは当社が運営する各メディアのビジネス担当者(営業担当)として、 クライアント向けの広告枠提案や、プロモーション案の企画営業などをしていただきます。 現場でお客様のニーズを理解した上で、メディアビジネスの経験を積み、 将来的にはメディア事業のプロデューサーとして、 チームのマネジメントや、営業の売り上げ管理も含め、 今後の事業をどう大きくしていくか、メディアの戦略についてなどの戦略立案や 事業企画を一緒に考えていただきたいと思っています。 若いうちから大きな裁量権を持って、様々なことにチャレンジできます。 やりたい!という気持ちを全力でサポートしますので、 思い描くキャリアを実現していただきたいと思います。 ◆当社の強み/今後の展望◆ 人々のニーズに寄り添ったメディア事業、リサーチ事業、ECを中心とした テクノロジー事業の三つを核に事業展開しております。 特にメディア事業では、IT、自動車、教育、映画、ゲーム、アニメなど 各分野に特化した20ジャンル50以上のメディア・サービスを運営し、 月間でのべ約3,400万人以上におよぶ方々にご利用いただいております。 今後も自社メディアの運営力を活かし、 企業に対するメディア運営支援事業やECサイトの運営受託事業を強化し、 更に、M&Aなどで媒体や事業も増やしていく経営方針です。 様々な分野の自社メディアを持っているため、多方面で活躍できること、 またご自身の興味のある分野で事業立ち上げのチャンスがあります。 もし、起業したいという想いはあるけど、仕方がわからない。 まずは小さくても自分の城を築きたい。などの気概があれば、 当社で新規事業を創ってみませんか。 若手に裁量を与え、チャレンジできる環境は、 今後のキャリア形成にとって大きなものとなるはずです。 応募資格・条件 【必要な能力・経験】 ・Web、IT業界にて就業経験 ・広告提案 or 広告プランニング経験 ・ITリテラシーが高い方(エクセル、パワーポイントでの資料作成など) ・提案資料の作成経験 募集人数・募集背景 増員 メディア事業拡大に向けての増員です。 M&Aなどで今後もメディア数を増やしていく予定のため、一緒に戦っていただける方を常に募集しております! 勤務地 駅から徒歩5分以内 東京都新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル28F(最寄駅:都庁前) 駅出口正面のビルです! アクセス 都営地下鉄大江戸線「都庁前駅」徒歩1分 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」徒歩5分 JR各線、京王線、小田急線、東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線「新宿駅」徒歩10分 西武新宿線「西武新宿駅」徒歩15分 勤務時間 完全土日祝休み 9:30 ~ 18:00(フレックスタイム制) 所定労働時間7.5h(休憩1h) フレックスタイム制(コアタイムなし) 給与 年収 3,000,000円 ~ 6,000,000円(※想定月給 250,000円 ~ 500,000円) ※給与は年俸制です。(年収÷12を月に支給) ※試用期間6か月(期間中の条件変更はありません) ※固定残業手当は月50時間相当分、73,530円(年収300万円の場合)~147,059円(年収600万円の場合)を支給 (上記記載は固定残業手当を含めた金額です) ※時間外手当(固定残業時間)、上記50時間超過分は別途支給いたします。 休日休暇 年間休日120日以上年末年始休暇 ●休日(年間120日以上) 完全週休2日制(土・日)、祝日、創立記念日(4/28) 年末年始(12/29~1/4) ●休暇 ・年次有給休暇(法定)最大20日/年 ・Happy Life休暇(特別有給休暇)10日/年 ・特別休暇(慶弔休暇、産前産後休暇、生理休暇、育児介護休暇、育児短時間勤務制度あり 等) ◇ 年末年始休暇 福利厚生 雇用保険労災保険厚生年金健康保険交通費支給あり資格取得支援・手当てあり時短勤務制度あり服装自由 ■健康保険(ITS健康保険組合) 厚生年金保険、労災保険、雇用保険加入、定期健康診断 ■食事補助制度(食事券半額負担) ■借上社宅制度(適用条件あり) ■懇親会費補助制度 ■歓迎会費補助制度 ■オフィシャルクラブ支援制度 野球、フットサル、ボルダリング、ランニングなどのクラブ活動費用として、1人5,000円(年間)を補助金として支給し活動しています。 ■ワンコインアイディア制度 *会社や社員にとってメリットのあるアイデアを発信した社員に対し、その都度ごとに500円を支給 ■表彰制度 ■映画の日の補助金 など ◇ 雇用保険 ◇ 厚生年金 ◇ 労災保険 ◇ 健康保険 ◇ 服装自由