早いものでもう年の瀬。皆様にとって2019年はどのような一年だったでしょうか? 2019年1月にオープンしたMedia Innovationも最初の一年を終えようとしています。これまで10回の特集企画、13回のイベントを開催し、多くのメディア業界のキーパーソンを取材してきました。12月特集は「メディア業界2020年の展望」という事でこれまで登場いただいた皆様にメッセージをいただきました。

7月に開催したMedia Innovation Academy #1 業界TOPリーダー18名が集結!メディアの「マネタイズ」「運用」「新規事業」研究会は来場者140名を超える大盛況でした。本イベントにもご登壇いただき、株式会社グライダーアソシエイツにて、キュレーションアプリantenna*の統括、craft. を立ち上げる山口 翔上席執行役員CMOに2019年の振り返りと、2020年への展望について聞きました。

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2019年はメディア業界、またご担当のメディアにとってどのような年だったでしょうか

メディアのマネタイズが、主にPVに依存する広告ビジネスだけではないものに変わりました。ブランドスタジオをはじめとするコンテンツの企画、制作、流通までを総合的に提案するソリューション事業から、toC向けサブスクリプションやEC、イベント、D2Cなど、読者とのエンゲージメントや得られるデータから、社員の経験やスキルを活かしたマネタイズの多角化へのチャレンジが本格化した1年だったように思います。

一方で、単なるお金稼ぎだと長続きしない印象もあります。そのメディアがどういうミッションで社会の中に存在し、どういうビジョンを目指しているのか?を突き詰めることが大事であり、それらを見つめ直す1年だったようにも思います。

我々もキュレーションアプリantenna* の運営を通して蓄積されたアセットを活用し、広告主やメディアと様々なコラボレーションを生み出す統合プランニング事業、今年7月より本格的にスタートした優良メディアをネットワークしたコンテキストマッチ型のブランドアドネットワークcraft. 事業など、それぞれの大きな成功の兆しが見えた1年となりました。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか

とある出版社の方々とこれからのメディアの未来についてディスカッションした際にでてきたアイデアがとてもしっくりきています。全てのモノがサービス化していく流れの中で、雑誌のようなメディアもサービス化が求められる、まさにMaas(Magazine as a service)のような世界観が求められていくと思います。

読者は雑誌に掲載されている情報を見たいのではなく、自身が理想とする場所、目的地へ到達したいのが本質的なニーズだと定義すると、例えば美容誌であれば、雑誌販売だけでなく、ユーザー限定イベントもあれば、オリジナルコスメの企画販売、美容関連施設の運営なども事業スコープに入ってくるわけです。

このようにサービス化まで対応できれば、インフルエンサーなどをはじめとした個人がメディア化していく流れに対抗していけると思っています。

雑誌はサービスの中の一つの手段であるというような、メディアの編集力を起点にビジネス発想の転換が求められていくと思いますね。

まさに、直面する課題はこれらを事業として成立させていくために、社内外のあらゆる関係者を巻き込み、オンラインもオフラインも統合して事業推進できるイントレプレナーのような”人材”の確保が最も大きな課題であるように思います。

その点において、パラレルキャリアという働き方には可能性を感じています。メディア業界にももっとその動きが根付いていくような取り組みができるとよいなと思っています。

2020年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか

広告主、メディア、プラットフォーマーそれぞれが、縦横斜めに様々にコラボレーションする、事業提携していくような機会を作り出していければと思います。

我々が手がけるcraft. も今年の7月に本格的にスタートしてから同年10月にはログリー社との事業提携を発表していますが、両者の強みがそれぞれの課題を補完し合い、たしかな手応えを持って2020を迎えられると確信しています。まだまだこれからではありますが、業界にとってさらなるインパクトが与えられるような新たなコラボレーションを仕掛けていきたいと思います。

個人的にはネット広告の闇のスピンアウト企画、ネット広告の光をやりたいですね。笑

読者の方にメッセージがあればお願いします。

2020年は日本にとって世界中から注目される重要な年になりますが、2021年以降が本当の勝負だと思います。メディア業界のみなさんでいまのタイミングからできることを一緒に考えていきたいと思いますので、ゆっくりとお茶でも飲みながらお話できれば嬉しいです!