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【解説】リアルとのギャップに直面、試行錯誤が続くメディア企業の在宅勤務

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堀 鉄彦
堀 鉄彦
1986年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。 日経イベント、日経パソコン、日経ネットナビなどの雑誌編集を経験後、独立し、2018年4月に(株)ブロックチェーンハブに参画。グループ内に(株)コンテンツジャパンを立ち上げる。ブロックチェーン×コンテンツのプロジェクトに取り組む。2019年10月にビヨンドブロックチェーン(株)の取締役に就任。電子出版制作・流通協議会や電子書籍を考える出版社の会など複数のメディア系業界団体でデジタル系サービスの動向レクチャーを定期的に行っています

MIの3月特集は「コロナウイルス以降、メディアはどうなる?」。感染拡大が止まらない新型コロナウイルス(Covid-19)に対して、メディア各種がどう動いたのか、そしてこれからどうなっていくか、考えたいと思います。31日(火)には会員限定のオンラインセミナーも開催予定です。

メディア企業にも否応なしに在宅勤務(FHW=From Home Work)の動きが広がっています。SlackやZoomなどコミュニケーションツールが進化し、クラウドベースのCMSがあれば簡単なようですが、そうでもないというのが現実。それなりに移行は大変なようです。

ファッションメディア中心ではありますが、メディア企業の新型コロナウイルス対応状況をよく追っているのが、米New York PostとWWDです。

New York Postは、3月10日付の記事でHearstが発行する「Elle」「Marie Claire」の発行人や編集長などが在宅勤務を余儀なくされていることを伝えています。

実は、世界で最も深刻な状況に陥っているイタリアで、それも2月末に「ミラノコレクション」が行われました。WWDによると、ミラノコレクションは、最終日こそ政府の指示で全面中止となったのですが、それまではなんらかの形でショーが行われていた模様です。

欧米大手メディアの編集長クラスはほとんどが現地取材するというイベントです。イタリアでの感染者はミラノコレクション前後に急増していますから、取材した帰国者を各社とも通常通り勤務させるわけにはいかなかったということなのでしょう。

New York Postは最大手の米Meredithの動きについてもまとめており、3月11日時点ですでにできるだけ自宅からのリモートワークとするよう従業員に指示していたこと。アイオワ州Des Moinesにある本社事務所やNew Yorkオフィスなどにも在宅業務を拡大することについて検討中だということなど報じています。Meredithはすでに事態が進展することを想定し、全社員にノートパソコンを家に持ち帰ってVPNでの在宅勤務ができる態勢を準備させていたとも報道しています。

Condé Nast, Hearst give employees work-from-home option amid coronavirus (New York Post 3/10)

この報道が掲載された3月11日頃から各社の在宅勤務拡充の動きは加速します。3月11日には米CBS Newsのスタッフが、16日には英Conde Nastの編集者など業界内から相次ぎ感染者が見つかり始めた時期でもあります。

そして、Digidayが3月17日付記事で「Vox Media、The New York Timesなどの大手パブリッシャーが、一時的ではあるが強制的な在宅勤務の方針を打ち出し、Vice Media、The Washington Post、McClatchy、CNNなどは、スタッフに在宅勤務を推奨している」など、動向の詳細を報じました。 

記事は在宅勤務によりワークフローの変更をよぎなくされたVox Mediaのケース、自宅でPodcast番組を作成する法律出版社「Law360」スタッフの苦労話など詳細が記され、非常に読み応えのあるものとなっています。現時点で、実状を最も詳しく伝えている記事ではないでしょうか。

このほか、世界の主要雑誌出版社が加盟する業界団体であるFIPPも、New York Postの記事などを引用しながら、英Hearstが全従業員に在宅勤務を強く推奨していることなどを伝えています。

日本のメディアでも在宅勤務を推奨

MIが実施したアンケートでも、メディア関連の多数の企業が在宅勤務を推奨したり、時差通勤を呼びかけていることが分かりました。MIの運営元のイードでも、2月下旬から在宅勤務が強く推奨されていて、多くのメンバーが自宅で業務を行っています。もともと大半のメンバーがリモートのMIでも、テレビ会議やチャットを駆使して業務が行われています。

アンケートでは在宅勤務ではインターネットリテラシーの差で意思疎通に影響があるという声が聞かれました。自宅で快適に勤務できる環境を整えられるかというのにも個人差がありそうです。出版社などでは業務的に在宅のみに切り替えるのが難しいという指摘もありました。

反面、「作業という面では圧倒的に効率が上がっているのを感じる」「業務時間や作業内容の報告が徹底されているため透明化され、業務推進に繋がっている」「情報共通ツールが活性化し、今まで以上にコミュニケーションが取れるようになった」というプラス面を評価するコメントも見られました。

当社でもチャットを活用してコミュニケーションを増やしたり、短時間の定例会議をリモートで毎日実施することで、遠隔による意思疎通の難しさを解消しようとしています。

ちなみにFIPPのサイトには、専門家による在宅勤務時の機材やシステムの選び方、セットアップの詳細解説記事も掲載されています。

FIPPが推奨するリモートワークの基本
1.カメラ付きのノートパソコン
2.イヤホン
3.WiFi環境
4.技術者とのコンタクト
5.同居人との境界を作れること

在宅勤務については、各社とも試行錯誤を続けているというのが現状のようです。Digidayの記事にもあるのですが、各社ともポイントポイントで、デジタルプラットフォームでできないことがまだまだたくさん存在する問題に直面し、ほとんどの企業が戸惑っているのでしょう。

在宅でもすべてのことができるよう、あらゆるワークフローの見直しが終わった後、メディア各社の制作システムはどのように進化しているのでしょうか。

3月31日にはMIとして初のオンラインセミナー「コロナウイルス以降、メディアはどうなる?」を5名の登壇者を招いて実施します。Media Innovation Guildの会員様には無料で参加できますので、ぜひこの機会に登録して、ご参加いただけますと幸いです。

コロナウイルス以降、メディアはどうなる?

  1. 【解説】コロナ以降、世界は急速にオンラインになった
  2. 【解説】メディア、プラットフォーム各社の新型コロナウイルスとの闘い
  3. 【レポート】日本のメディアはコロナウイルスでどうなった?
  4. 【レポート】リモート編集部の実践レポート
  5. 【レポート】オンラインセミナーの実践レポート
  6. 【取材】リモートワーク実践企業にリモート取材を敢行

順次公開していきます。

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