コロナ、クッキー廃止、プライバシー保護、広告収益の低下にパブリッシャーはどう対応すべきか?

What’s New in Publishingが公開したメディアの2020年振り返りレポートでは、新型コロナウイルスの影響が広告収益に大きな影響を与え、この回復が大きな急務である事が報告されています。また、業界の多くの人が、今年はわずか数ヶ月の間にパブリッシャーに5年分の変革…

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What’s New in Publishingが公開したメディアの2020年振り返りレポートでは、新型コロナウイルスの影響が広告収益に大きな影響を与え、この回復が大きな急務である事が報告されています。また、業界の多くの人が、今年はわずか数ヶ月の間にパブリッシャーに5年分の変革をもたらしたとしていますが、この変革を後押ししたのは新型コロナウイルスだけではなく、グーグル・フェイスブック・アップルなどが、クッキー廃止やプライバシー保護に取り組んでいることも理由のようです。

クッキー廃止の動きが加速

グーグルは2020年初頭にサードパーティクッキーの廃止に取り組み、2年以内にChromeブラウザでのサポートを段階的に廃止すると発表し、年末にかけて独自のテストを実施しました。ファイヤーフォックスとアップルのSafariブラウザも、2019年にサードパーティクッキーのブロック対策を発表しました。

多数存在するブラウザのうちこれらの3つは、モバイルとデスクトップブラウザ市場の87%以上のシェアを占めています。つまり、サードパーティクッキーはインターネット上で廃止されつつあります。

この動きに伴い、グーグルは代替ツールの開発に取り組んでいるようです。同社は、ウェブ上のプライバシーを根本的に強化するためのオープンスタンダードを開発するため、2019年後半にプライバシーサンドボックスと呼ばれるイニシアチブを発表しました。企業が個人を特定できる情報を共有するのではなく、同じような行動をとる人の群れを観察できる「FLoC」というシステムなど、多くの有望なオプションを提供しています。

パブリッシャーは2020年、クッキー廃止の動きを受け自社のデータ戦略を確立、成長させ、読者との関係構築に取り組んできました。ニューヨークタイムズは、今年の第2四半期に広告売上が44%急落しました。しかし、同社はこの事態を将来の計画を立案する機会とみなし、より良い広告体験に投資しました。さらに、サードパーティクッキーの代わりとして機能するコンテンツターゲッティングも導入し、人々がどんな広告に反応するか分析できるようにしました。

他のパブリッシャーは独自ツールを開発しています。Vox Mediaは、ブランドや企業が、NBC Universal、Penske Media、Quartzなど外部のパブリッシャーに大規模な広告キャンペーンをセルフサーブで展開できるツール「Concert AdManager」をローンチしました。これは、パブリッシャーサイトの広告を小規模ブランドが利用できるようにするうえで特に重要で、フェイスブック独自のツールがロングテールのSMBをメインターゲットにして上手く機能している理由でもあります。

追跡許可機能の導入


《Yuka Hirose》

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Yuka Hirose

Yuka Hirose

ライター・翻訳者。大学で工学を学び精密機器メーカーで勤務ののち、2020年に独立。群馬県出身。

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