“脳科学×AI”が新たな広告コンテンツを最適化…NTTデータが開発する「NeuroAI」とは

動画コンテンツが氾濫する現在のメディアマーケティング市場において、よりユーザーの興味を引き、高いエンゲージメントを集めるために動画クリエイティブ事業者は工夫を凝らしています。NTTデータが産学連携で研究開発する「NeuroAI」は、脳科学的視点から消費者一…

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“脳科学×AI”が新たな広告コンテンツを最適化…NTTデータが開発する「NeuroAI」とは
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動画コンテンツが氾濫する現在のメディアマーケティング市場において、よりユーザーの興味を引き、高いエンゲージメントを集めるために動画クリエイティブ事業者は工夫を凝らしています。NTTデータが産学連携で研究開発する「NeuroAI」は、脳科学的視点から消費者一人ひとりに最適化されたコンテンツを生み出せる技術として注目を集めています。

NewsTVが動画広告の効果向上に成功

株式会社ベクトルの子会社であり、ビデオリリース制作/配信事業を手がける株式会社NewsTVは、株式会社NTTデータ、株式会社NTTデータ経営研究所と共同で、人間の脳活動を推定する技術「NeuroAI」を用いて、動画広告の効果の最適化を目指した共同研究を行い、Twitterに配信する動画広告の効果向上に成功したと発表しました。

この共同研究では、動画広告と広告効果データをNeuroAIで脳情報化・学習した「仮想脳モデル」を構築。この仮想脳モデルでのシミュレーションをもとに制作した複数の動画広告をTwitterで配信しました。その結果、平均的な効果を持つ既存素材と比較して再生率が高いと予測された2つの動画広告案で再生率が向上しました。また、エンゲージメント率、インストール率についてはそれぞれ、高いと予測されたうち1つが向上できたとのことです。NewsTVは今後、この研究結果を活用し、効率良く広告効果の最大化を狙うサービスの構築を目指し、次世代広告最適化技術としての実用性を高めていくとしています。

NeuroAIでコンテンツを最適化するソリューション

NeuroAIでは、人間の脳が動画や写真、音楽などに起こす反応をMRIで解析し、脳科学の視点から分析、学習することで脳活動をシミュレーションします。これによって、今度は実際の反応を解析せずとも脳の動きを予測することができるようになります。

NTTデータは、NeuroAIを用いた脳情報のシミュレーション結果から、動画広告の特徴を定量化し、どのようなコンテンツが最も効果的かを予測するソリューション「D-Planner」を提供しています。

NeuroAIを用いたコンテンツ作成の流れ(「NeuroAI」公式HPより)

NeuroAIはこれまで、Billboard JAPANやCM総合研究所、ゲッティイメージズ ジャパン株式会社などが導入し、コンテンツ市場で実績を積み重ねています。さらにNTTデータは、NeuroAIの基盤技術が世界最高峰人工知能学会であるAAAI-20に採択されるなど、人工知能の専門家からも新規性や重要性、信頼性が評価を受けているとアピール。広告のターゲットがマスから「個」へと変容し、よりパーソナライズされた広告コンテンツを発信していくことが求められる現代のデジタル広告市場において、この技術は注目すべきものでしょう。

《Hideaki Taga》

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