Eコマースプラットフォーム「BASE」を提供するBASE株式会社の2021年12月期第1四半期の売上高は、前期比99.0%増の22億3,700万円、営業利益は1,300万円(前年同期は2,800万円の赤字)となりました。新規ショップ開設数は前年同期比81%増。2021年3月末時点で140万ショップを超えており、力強く成長しています。
新型コロナウイルス感染拡大による外出制限で消費者のEC志向が高まり、BASEの2020年12月期の売上高は前年同期比215.3%増の82億8,800万円、8億300万円の営業利益(前年同期は4億4,100万円の赤字)を出しました。通期で黒字を出したのはこの期が初めてとなり、コロナ特需の恩恵を受けた代表的な会社です。
■BASE業績推移(単位:百万円)


2021年12月期は売上高を97億5,000万円(前期比17.6%増)~105億3,600万円(同27.1%増)と予想しています。コロナ特需がひと段落した後も二桁成長の見込みです。その一方で、14億3,300万円~9億2,900万円の営業損失を見込んでおり、再びの赤字転落。これは戦略的な赤字と言えますが、BASEは何を狙っているのでしょうか?この記事はBASEのビジネスモデル、財務状況を見ながらその戦略を解説するものです。
目次
BASEの成長に欠かせないGMV
BASEはEコマースプラットフォームを提供しています。出店する店舗は初期費用・月額費用をかけずに利用できます。豊富に用意されたテンプレートを選択することにより、知識のない素人でも簡単にECサイトを構築できます。デザイン性にも優れているため、無料でも古臭かったり素人感あふれるものにはなりません。サイトの管理も手間なく容易に行えます。では、BASEはどこから儲けを得るのでしょうか。
答えは、決済手数料です。上場時の目論見書によると、「BASEかんたん決済」の手数料は取引金額に対して3.6%+40円。そのほかにサービス利用料として取引金額の3.0%を徴収しています。BASEはEコマースプラットフォームのほかに決済サービスも提供していますが、2021年12月期第1四半期の段階で売上高の86.9%をBASE事業が占めています。Eコマースプラットフォームへの依存度が高く、この事業を伸長させることが何よりも重要です。