米・超党派の議員が「ジャーナリズム競争・保護法(JCPA)」の改訂版を発表

ロイターなどによれば、今月22日、昨年、米国の超党派議員によって提出された「ジャーナリズム競争・保護法(Journalism Competition and Preservation Act :JCPA)」の改訂版がリリースされました。9月の第1週に予定されている議会での審議に合わせたアップデートだと思われます。(詳細

今回の法案の更新目的は、補償を受ける「デジタル・ジャーナリズム・プロバイダー」の定義を「正社員数1,500人未満のニュース出版社と非ネットワークのニュース放送局」と変更した点にあります。前回までは、「少なくとも週単位で出版している、専門の編集スタッフを持つ印刷物、放送、デジタルニュース組織への適用」としており、補償を受ける対象から、地方新聞を大量に所有するガネットやシンクレアなどの大企業や全国規模の小規模な放送局を排除することにあると思われます。これは補償側のアルファベット(Google)やメタ(Facebook)が反対していた意向を反映させた内容です。

なお、この法案における補償側の「オンラインプラットフォーム」の定義は、米国を拠点とするユーザー数が5000万人、時価総額が5500億ドル以上、または全世界の月間アクティブユーザーが10億人以上の支配的なウェブサイト、あるいはニュース発行者や放送局のコンテンツを集約、表示、提供、配信、またはユーザーへの誘導を行っているサイトとされています。

この法案は、小規模なデジタルパブリッシャーが生み出すニュースコンテンツに対して、巨大ハイテク企業が公正な補償を求めるべく、4年間のセーフハーバを設けて、団体交渉する権利が法的に与えられます。これまで全く相手にされなかった小規模な会社も団体交渉に加わり、巨大プラットフォーム側の一歩的な交渉拒否ができなくなります。また、交渉期間中にニュース配信を止める事もできないとされています。 JCPAが成立すればグーグルとフェイスブックから4年間で数十億ドルがジャーナリストへの支払いに注入される可能性があります。

最近、オーストラリアで類似の法案が成立し、カナダ、英国、ブラジルなどに加え、最近インドでも法案の成立を急ぐ報道が見受けられます。米国としても、自国のオンラインプラットフォームと地方新聞の両方を守るための公正かつ公平な基準づくりが急がれる状況です。(NPOによるJCPA支援声明

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前田邦宏
メディアイノベーション見習いスタッフ。海外調査の最新動向を担当。分野を問わず、調べ物が好き。

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