電通のクリエイティブ・シンクタンク「電通Bチーム」は日本各地の文化に精通するディスカバー・ジャパン社と協業して、日本古来のコンセプトでイノベーションを支援する発想コンサルティングサービス「Discover Japan Concept」を立ち上げた事を発表しました。
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目次
日本古来の方法論で、企業の発想を支援
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デザイン思考など、欧米では新たな方法論が提案され、多くの企業へ導入が進んでいる一方で、ビジネスの現場では、歴史や教養などといった「過去の知恵」の重要性が改めて見直されています。インバウンドの拡大も背景に、日本に古来から伝わる文化・伝統に対する注目が集まりつつあります。
これまで両社は、4年前より雑誌『Discover Japan』の連載を通じて、日本の伝統文化や伝統工芸の中で受け継がれてきた方法論から、現代のイノベーションに寄与するものを発掘・収集してきました。
その知見を活用し、企業や自治体の発想を支援するコンサルティングサービス「Discover Japan Concept」を2019年7月よりスタートします。
日本ならではのイノベーションを生み出すことを目指す
Discover Japan Conceptでは、これら日本古来のコンセプトを新規事業や商品企画の「発想の切り口」として活用することで、時代にとらわれない普遍性と日本ならではの独自性を兼ね備えたアイデア発想を支援し、日本発のイノベーションを生み出すことを目指します。
一例として、陶芸では「唐津焼」に「つくり手八分、使い手二分」というコンセプトがあります。これは「つくり手は8割だけ完成させ、使い手のために2割余白を残しておく」というものづくりの哲学で、「オープンイノベーション」「コクリエーション」といった言葉が普及する遥かに前から実践されてきたものです。
こういった概念は、輸入されたものではなく、伝統工芸の現場で現在も実践されている考え方であるため、具体的かつ実用的である事が特徴です。
両社は、これまで収集してきたコンセプトをもとに実践的なワークショップを実施し、日本古来のコンセプトが、新たな価値を生み出す「0→1のアイデア発想」や企業のイノベーションに活用できることを確認しています。
【運営主体】
■電通Bチーム
A面(本業)以外に個人的な “B面”を持った社員が集まり、”A面”の正攻法では突破できない企業や組織のさまざまな課題に対して、いままでと違うやり方=Plan Bを提案する「オルタナティブアプローチ」チーム。閉塞感を打破する21世紀的な新しいプロセスで、現在50以上のプロジェクトを支援中。
電通Bチームウェブサイト:https://bbbbb.team/
■ディスカバー・ジャパン社
2008年より、ニッポンの魅力、再発見。をコンセプトとして『Discover Japan』ブランドを展開。日本のモノ・コト・場所・人を通して、上質な日本文化の魅力を提案する。行政・企業とのプロジェクトも多数。2018 年に株式会社ディスカバー・ジャパンとして独立。今秋、直営店「Discover Japan Lab」がオープン予定。
ディスカバー・ジャパン社ウェブサイト:http://discoverjapan-web.com/