朝日新聞社が、10月1日付でWebメディア「DANRO」(ダンロ)を、創刊編集長だった亀松太郎氏が代表を務めるコルトネットに譲渡することとなりました。10月1日から、ドメインも変更となり、これまでの「danro.asahi.com」から「danro.bar」へと変わり、SNSのアカウントも、Twitter:@danro_bar、Instagram:@danro_bar、Facebook:@DANRObase に変更されます。
独立したジャーナリストが、メディア企業から媒体運営を引き継ぐというのは日本では珍しい形。編集者によるメディアバイアウトの先行事例として注目されます。
DANROは、「ひとりを楽しむ」をコンセプトに2018年5月にオープンしたWebメディアです。「独身の結婚観」「ひとり飯」「ソロキャンプ」「ひとり旅」といったテーマの下、「ひとり」を肯定的に捉える社会の実現を目指し、さまざまなコンテンツを配信してきました。公開した記事の本数は、すでに1300本を超えています。
朝日新聞社が2018年3月から、バーティカル(専門特化型)メディア共通プラットフォーム「ポトフ」で展開してきたメディアのひとつとして運営されてきましたが、2020年3月末に更新を停止。9月末にサイトを閉鎖することが予定されていました。
コルトネットの亀松太郎代表は、企画段階から参加していたDANROの創刊時の編集長です。サイト閉鎖を知った後、DANROが培ってきた役割やコミュニティ継続などを願って朝日新聞社に譲渡を申し入れ、運営を引き継ぐことになったとのことです。
コルトネットによる新生DANROは、これまでのDANROの雰囲気をできるだけ踏襲しつつ、独自のサーバー、独自のCMS、独自のデザインにより運営されます。
また、ビジネスモデルは、広告型から記事は無料で提供しながら「会費」で運営する「サポーターズクラブ型」へ移行します。
noteのサークル機能を使って「DANROサポーターズクラブ」という月額980円のオンラインのコミュニティを構築する予定。会員には、会員限定の掲示板にアクセスできたり、DANRO主催のイベントに参加して交流できたり、オンラインの編集会議に参加できたりといった「特典」を提供していく予定です。サポーターズクラブの母体となる「note」のサークルの内部では「そこでしか読めない編集部秘話を配信したり、サポーターズクラブのnoteページで、オーサーインタビュー記事の一部を有料課金することもありえる」(亀松さん)とのことです。
「サポーターのみなさんと話をしながら、DANROというメディアをどう育てていったらいいのか、考えていきたい」という亀松さん。メディア=コミュニティという新しい形態がどのような果実を生んでいくのか、期待が高まります。