Media Innovationでは、勃興する音声メディアにフォーカスして、この領域に取り組む企業や人物へのインタビュー連載、「音声が切り拓くメディアの未来」を掲載しています。第2回はデジタルオーディオ広告や「ラジオクラウド」など音声に積極的に取り組む博報堂DYメディアパートナーズを直撃。音声に取り組む狙いや、音声を通じて総合広告代理店として実現したいものなどについて伺いました。
ラジオクラウドは株式会社博報堂DYメディアパートナーズが、2017年1月からサービスを開始した音声コンテンツ配信サービスです。現在、アプリの総ダウンロード数は110万を突破。全国のラジオ番組を中心に、ニュース、エンタメ、教養などバラエティ豊かな約4万5000ものコンテンツが取り揃えられ、無料でストリーミングやダウンロードして楽しむことができます。
総合広告代理店である博報堂DYメディアパートナーズが、ラジオクラウドをはじめとする音声になぜ注目をするのか。ラジオクラウドと共に音声メディア市場はどう変わっていくのか。
博報堂DYメディアパートナーズ ラジオ局 オーディオビジネス開発部 部長 石井忠典氏にお話を伺いました。
―――ラジオクラウドのサービス開始の経緯を教えてください。
TBSラジオからお話をいただいたことがきっかけです。TBSラジオが元々ポッドキャストで番組をされていたのですが、その時にマネタイズの面で課題を感じていらっしゃいました。その頃弊社も、ここ10、20年のラジオ地上波の市場変化から、地上波に代わるビジネスを作る必要性を感じていました。
そこで、音声メディアをオンデマンドで配信し、マネタイズするプラットフォームを発想しました。当初はTBSラジオのみでしたが、様々な放送局との連携を広げていって、現在では、計65局のラジオ放送局や新聞社、TV局などが多くのコンテンツプロバイダーが参加するプラットフォームに成長しました。