MIの11月特集は「バーチャルイベントの内幕」。新型コロナウイルス感染拡大によって多くのイベントがリアルからオンラインに移行しました。そこにはどんな課題と可能性があるのか。イベントのプラットフォーム、イベント主催者の双方をインタビューします。11月27日には多数の登壇者が参加する「バーチャルイベント勉強会」も開催します。
2019年に20周年を迎えたCEATECは、世界最先端の技術・製品・サービスが一堂に会するIT技術とエレクトロニクスの国際展示会で、毎年10月に千葉・幕張メッセで開催されてきました。当初はデジタル家電をメインの展示としてきましたが、2017年からCPS (※)/IoTが中心の総合展に変化してきました。
そのCEATECですが、2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、史上初のオンライン開催となりました。意思決定から僅か4ヶ月という準備期間でオンライン開催を実現したというCEATEC。どのようなコンセプト設計を行い、技術的な障壁に立ち向かい、成功に導いたのか。
会期を終えて、直面した課題と見出したオンラインの可能性について、CEATEC実施協議会 エグゼクティブプロデューサー 鹿野清氏に伺いました。(現在もオンデマンド形式で来場が可能で12月31日まで公開中)
※CPS・・・サイバーフィジカルシステム。実空間においてデータを収集し、デジタル技術を用いて解析や分析をする事でフィジカル空間とデジタル空間を融合していこうという概念
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1975年ソニー株式会社入社。テレビ事業、PCビジネス担当を経て、2008年業務執行役員シニアバイスプレジデントに就任。2014年退職。2016年から一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会顧問に就任。現在、CEATEC実施協議会 エグゼクティブプロデューサーを務める。
―――オンライン開催に至った経緯を教えてください。
CEATECは出展企業向けに、毎年2月から説明会をおこないます。そのため世界で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃には既に2020年度の出展企業を募集しており、リアル開催に向けて着々と準備を進めているところでした。3月頃から、MWCやSXSWなど海外の大規模展示会やカンファレンスが相次いで中止になりました。日本でも徐々に新型コロナの感染状況は深刻になってきて、新型コロナ対策を徹底したリアル開催にするか、それともオンライン開催にするか、様々な検討をしていました。しかし、リアル開催に対する懸念の声は強く、CEATEC初のオンライン開催を決定しました。正式に決めたのは5月25日のことです。
―――中止も検討しましたか?