投資会社と組んで出版社が作る未来、24ブランドを引き継いだピークスとドリームインキュベータが目指すメディア像とは?

投資会社である株式会社ドリームインキュベータが、老舗出版社の株式会社枻出版社の一部事業と、同社グループのピークス株式会社を引き受けるという昨年12月のニュースは業界に衝撃を持って受け止められました。 枻出版社と言えば趣味やライフスタイルに特化して数多く…

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投資会社と組んで出版社が作る未来、24ブランドを引き継いだピークスとドリームインキュベータが目指すメディア像とは?
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投資会社である株式会社ドリームインキュベータが、老舗出版社の株式会社枻出版社の一部事業と、同社グループのピークス株式会社を引き受けるという昨年12月のニュースは業界に衝撃を持って受け止められました。

枻出版社と言えば趣味やライフスタイルに特化して数多くの雑誌を発行する出版社で、ピークスはいわゆるコンテンツスタジオとして企業向けのソリューションを展開してきました。一方のドリームインキュベータは戦略コンサルやベンチャー投資で数々の実績を残してきた名門です。

2月5日から始動した新体制について、新生ピークスの代表取締役社長 兼 CEOに就任した白土学氏と、ドリームインキュベータ執行役員でピークスの代表取締役 兼 取締役会議長に就任した半田勝彦氏に今回の取り組みの背景や狙い、新たに掲げる「ファン・メディア・スタジオ™️」などについて聞きました。

白土学(左)
新卒で枻出版社に入社後、博報堂グループのTBWA博報堂に参画。営業や、経営企画業務などを経験した後、2016年に枻出版社に復帰。広告営業等法人ビジネスの責任者や人材育成などに携わり、2018年1月にブランドスタジオであるピークスの経営を統括従事。ピークスのドリームインキュベータへの参画に伴い、代表取締役社長 兼 CEOに就任。

半田勝彦(右)
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズでi-メディア局、雑誌局などを経験。新規事業や投資事業も担当し、「Tokyo Girls Collection」を展開するF1メディア(現・W TOKYO)の代表も務めた。2018年にドリームインキュベータに参画し、事業投資を担当する執行役員に就任。出資先であるボードウォークの取締役も務める。ピークスでは代表取締役 兼 取締役会議長。

―――ドリームインキュベータが枻出版社の一部事業とピークスを買収するというニュースは衝撃的でした。どのような出会いだったのでしょうか?

白土: 博報堂に在籍していた時期は被っていて、半田さんの事は存じ上げていましたし、仕事で少しだけ関わった事もありました。ピークス社の経営に携わるタイミングで共通の知人を介して改めて話をするようになって、折に触れて食事をする仲になりました。半田さんはi-メディア局や雑誌局にいてメディアに精通していたという事もありますし、ピークスの経営課題を解決するには大胆な手段も必要だなと考えていた事もありました。

半田: 僕もちょうどドリームインキュベータに移ってきた頃で、色々な投資先を見るようになりました。投資先は特定の市場を絞っているわけではありませんが、長年メディア・コンテンツに携わってきましたので、何かしら業界に貢献ができればという想いはありました。白土さんと会うようになったタイミングでは実は既に出版社やデジタルメディアで数社の初期的なDD(※)をやって投資検討もしていました。

※デューデリジェンス・・・買収や投資を実行する前に一般的に行われる当該事業や資産に対する査定のこと

―――ピークスの経営課題、というのをもう少し教えてもらえないでしょうか?

白土: やはり枻出版社という歴史ある出版社のグループでしたので、分社化した事で良くなった面もあるのですが、スピード感と迅速な意思決定という面では課題があったと思います。レガシーは良い部分もありますが、捨てきれない部分もあり、そこをどう補いながら新しい挑戦していくかというのが課題でした。

また、出版社もデジタルでの挑戦を沢山してきましたが、外部の血を入れる事が必要なのかなという思いもありました。そのパートナーとしては過去から培ってきた多くの知見や能力をお持ちの、ドリームインキュベータ、半田さんがぴったりだったという事でしょうか。

―――ドリームインキュベータとしてはどのような勝算があってメディアに投資をしたのでしょうか?

半田: メディアは広告だけを収益の柱にしていると確かに厳しい状況にあると思います。ただ、投資家としてはアービトラージを考える必要があって、改革余地のある業界を再生する事ができれば大きな成長を期待できますよね。それに苦しんでいる業界、困っている業界ほど、ノウハウを外から吸収して変わっていきたいという思いがあります。投資家としてもお金がコモディティした世の中で提供できる価値を考えたとき、存続すべき業界で、改革余地・変革余地がある領域というのは当然ターゲットとなっていくと考えました。

―――今回はどういった取引になったのでしょうか?

半田: ドリームインキュベータが子会社として新・ピークスを設立して、そこに対して、旧ピークスの事業を引き継ぐのと同時に、枻出版社から24のメディアブランドを引き継ぎます。編集部の人員も含まれるので、体制としては140~150名規模となります。ドリームインキュベータからも人員を出して成長支援を行っていきます。

白土: 引き継いだブランドは趣味・ライフスタイル系のメディアに特化していて、読者の「好き」という気持ちを育てていくメディアだという事に特徴があります。中には既に雑誌としては休刊になってしまったブランドもありますが、今後はデジタルを中心とした展開を考えています。

ピークスが枻出版社から引き継いだ全24のブランド

―――具体的にはどのようなアプローチでピークスの成長を目指していく方針なのでしょうか?


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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