視聴行動にまつわるデータ分析サービスを手掛けるニールセンデジタル株式会社(以下:ニールセンデジタル)は、海外市場ごとに地場の有力企業を含む主要企業の商品別/メディア別出稿状況、出稿クリエイティブ、キーメッセージなどをまとめた統計情報「海外広告統計データ(Nielsen Ad Intel International)」のデータをもとに、世界のメディア・広告の現状と未来に関する分析結果を発表しました。
「世界15カ国の市場における総広告費の変化」では、2020年第4四半期から2021年第1四半期にかけて上昇傾向に転じていることがわかります。広告費は業界全体の傾向を図るのに適したバロメーターであり、2020年度第4四半期以前の時期では新型コロナウイルスの影響で広告費が大幅に減少していましたが、業界全体としてやや回復傾向にあることが見て取れます。
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カテゴリー別に分類した広告費の増減においても、昨年大幅に後退した日用消費財、耐久消費財、金融サービス、流通会社などの業界は回復傾向に転じています。
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また、昨年度の広告費全体の大幅減の流れの中でもデジタル広告費は増加傾向を維持しており、米国以外の27カ国においてデジタルインプレッションが大幅に増加したほか、主要プレイヤーでもあるFacebook、Google、YouTube、Amazonでは、デジタルインプレッションが2年間で36%増加しました。また、上記の主要デジタルプレイヤー以外のインターネット上でのデジタルインプレッションは、同期間に26%増加しました。
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Youtubeやポッドキャストを含むストリーミングサービスのインプレッション・シェアは、オンラインメディアの消費が増えたパンデミック中、特に米国で大きく伸びました。ラテンアメリカ、EMEA、アジア太平洋地域でもインプレッション・シェアを伸ばしていますが、米国ほどではありません。
ニールセンは「重要なのは、ストリーミングがメディアの状況に大きな影響を与えているのと同様に、広告主や広告代理店は、デジタルエコシステム全体のさまざまなチャネルに注目すべきだということです。」と述べています。
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