ニールセンデジタル株式会社が、消費者の広告や情報に対する信頼度調査「ニールセン 広告信頼度調査2021(Nielsen Trust in Advertising Study 2021)」をグローバルで実施し、その分析結果を発表しました。
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ユーモアを交じえた、実生活を描いた内容が受け入れられやすい
本調査の結果、多くの国で、広告において重要視されているのは「現実の生活を描いたものや健康をテーマにしたもの」であることが明らかになりました。これらは他の広告テーマ、たとえばアクションやスポーツ、子供、自動車、競争、またアスリートや著名人を起用したものよりも消費者の共感を得ることがわかりました。
ニールセンのメディアアナリティクスリードのキャシー・ヒーリー氏は、最も共感を得られるコンテンツタイプが「ユーモアや実生活のシチュエーション」であるのは驚くことではなく、「人間であることの本質に触れる広告は、他の広告に勝り、消費者をロイヤルカスタマーへと導くカスタマージャーニーにつながる」と分析しています。
最も信頼されている情報は知人からの推奨
本調査では、88%の消費者が、情報源として「友だちや家族からの推奨」を最も信頼していることがわかりました。この結果は、オンラインバナーや動画広告、モバイルやタブレット端末での広告、SMS広告検索エンジン広告などのランキング下位のチャネルと比較すると50%も高い結果となりました。
その一方で、インフルエンサーに対する信頼度については、71%が「完全に信用している」または「ある程度信用している」という程度の結果となり、友人や家族からの推奨ほどの高い信頼は得られないことがわかりました。
製品ではなく、信念を売る
本調査では、「友だちや家族からの推奨」以外の広告は、消費者からの信頼が比較的低いことが明らかになりました。中でもタバコブランドの広告は最も信頼度が低く、食品の広告は全体的に高い信頼度を示しました。
ニールセンは、消費者は確固たるブランド価値を示すブランドを信頼するようになってきていると分析。広告の背後にある企業の価値観とその永続的な倫理観が、広告そのものと同じくらい重要であるとし、「今日のブランドは、製品やサービスだけでなく、そのミッションやビジョン、価値観を示すことが不可欠である」と報告しています。