ニールセンデジタル株式会社は、「ニールセン オンラインショッピングレポート2021(Nielsen Online Shopping Report 2021)」のデータをもとに、昨年の日本国内におけるECの利用動向についての調査結果を発表しました。今回の調査では、より多くの消費者にブランドを認知してもらい、長期的なブランドエクイティを構築するうえで必要不可欠になるアッパーファネルマーケティングの重要性が浮かび上がる結果となりました。
今回の調査結果で主に言及されている部分としては大きく2点あります。1点目としては、「オンライン上では、これまでに購入したことのないブランドを購入する割合が高い」点です。Nielsen Commspointによると、米国の消費財市場での調査では、実店舗で「過去に購入したことのないブランド」を購入する割合はわずか4.3%だったのに対して、オンラインでは12.1%と約3倍になっていました。同じ傾向は日本国内の市場でも見られ、特に若年層の化粧品の購入シーンにおいては強く反映されていたといいます。
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オンライン上の消費行動では、商品やブランドロゴに触れる機会が減少するため、従来は実店舗で行われていたようなブランド体験をオンライン上で補い、商品購入のニーズが生じた際に真っ先に自社ブランドを想起してもらえるようなアッパーファネルマーケティングの重要度が高まっていることが読み取れます。
2点目としては、「オンライン上の購買行動だけではなく、実店舗での購入においてもオンラインは重要な情報源になっている」という点です。商品の認知段階や比較・検討する際において、多く消費者がオンライン上での情報収集を行っていたことが明らかになりました。
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このため、ブランド体験を実店舗などのオフラインだけではなくオンライン上においても提供し、購入の意思が表れた際にすぐ自社ブランドを想起してもらえるようなアプローチを行っていくことが重要だ、としています。
また、ターゲットの属性によって活用されるオンラインプラットフォームも異なることから、マーケティング担当者は自社ターゲットの動向を理解し、使用するプラットフォーム見直すことも重要だとしています。
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