株式会社博報堂DYホールディングスの研究開発部門「マーケティング・テクノロジー・センター」(MTC)と、中国のライフサービスオンライン検索プラットフォーム「美団」の広告部門「Solid Bit」は、中国での「インバウンド予報調査」を共同で実施しました。
今回の「インバウンド予報調査」は、MTCと「美団」の広告部門Solid Bitの共同研究第一弾として、美団が保有する生活情報プラットフォーム「大衆点評」のビッグデータを活用し調査を実施。中国人生活者の3か月後の訪日意欲を表す「インバウンド予報指数」の算出や、訪日目的・訪日意識に着目しています。
中国人生活者の訪日意欲について、調査時点から3か月後の気持ちを端的に表す指標を「インバウンド予報指数」とし調査。6月のインバウンド予報指数は81.1点(23年3月に調査)で3月のインバウンド予報指数82.1点(22年11月に調査)と比較してもほぼ横ばいでした。特に訪日4回以上の層では93.2点と他の層に比べて高くなりました。
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今後の訪日目的の調査では、「大衆料理を楽しむ78.4%」「四季の体感77.5%」「温泉入浴77.2%」「自然・景勝地の観光74.5%」「高級レストランを体験する72.9%」「旅館に宿泊72.6%」が「買い物67.4%」を上回り、「買い物」よりもさまざまな体験を求めていることが予想されます。
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今後の訪日意識についてどちらをより重視するかの調査では、「行ったことのあるところを再訪32.6%」に対し「行ったのことないところを探検67.4 %」、「ショッピングを楽しむ39.1%」に対し「いろんな体験を楽しむ60.9%」と中国人生活者の好奇心旺盛な訪日意識が明らかとなりました。その一方で、「滞在中に思う存分楽しむ87.8%」に対し「帰国後も余韻を楽しむ12.2%」、と訪日後も楽しめるような体験設計にまだ工夫の余地があると考えられます。
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次の訪日前に中国国内で実施した日本に関連する活動の調査では、「日本のテレビ番組、映画、アニメ、音楽、ゲーム、書籍等を楽しむ60.5%」、「日系ブランドの商品、日本産の食品や飲料等をリアル店舗で購入する51.7%」、「日本食、日本の酒を体験する49.2%」、「訪日旅行に関する情報を収集する38.4%」、が訪日意欲の醸成に寄与していることがわかりました。
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今回の調査では、博報堂行動デザイン研究所が定義した次世代型行動デザインモデル「PIX ループ」を用いて訪日中に満たしたい欲求についても調査。「12欲求」のうち、五感や感覚的なものを含めて「物事をもっと楽しみたい」という「愉楽欲」が74.0%と最も高く、2番目に「簡単・便利で効率的な暮らしがしたい」という「簡便欲」(72.4%)、3番目に「自分なりの目標に到達したい」という「達成欲」(66.0%)、4番目に「危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい」という「安全欲」(63.0%)、5番目に「失敗や損失を避けたい」という「損失回避欲」(61.6%)、「未知なるものを知りたい・出会いたい」という「発見欲」(61.6%)が見られました。