クックパッドの経営体制が大きく変わります。
2023年10月1日から創業者・佐野陽光氏が代表執行役CEOとなり、経営の陣頭指揮を執ることとなりました。現職の岩田林平氏は取締役となります。
クックパッドは2016年にお家騒動が勃発。佐野陽光氏は、当時の社長だった穐田誉輝氏を含む取締役全員の退任を求めました。この内紛劇は、穐田誉輝氏の退任で終結しています。
当時、クックパッドは絶頂期を迎えていましたが、現在は課金ユーザー数や広告収入の減少で凋落が鮮明になっています。
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新サービスは収益に貢献せず撤退へ
佐野氏がトップに立つ前に徹底的な地ならしを行っているのか、クックパッドは大規模なリストラに乗り出しています。2023年6月から8月にかけて退職勧奨を実施。110名を削減するという内容です。退職勧奨はよく「肩たたき」などと言われ、会社側から「辞めてほしい」と説得することを指します。
クックパッドの人員整理はこれが初めてではありません。
同社は2023年2月にオンラインマルシェ「Komerco」、料理のトレーニングアプリ「たべドリ」など複数のサービスからの撤退を決定。廃止する事業の従業員を対象に、40名の希望退職者を募集しました。これには46名が応募し、退職しています。
更に2023年3月から4月にかけて、約130名いた海外事業の従業員を対象とし、80名の希望退職者募集もかけています。これには73名が応じました。
クックパッドはほぼ計画した通りの応募者が出ているにも関わらず、追加の人員整理を発表したのです。しかも、退職勧奨という強い手段に出ました。
クックパッドは2021年12月期は26億3,200万円、2022年12月期は35億2,000万円という2期連続の巨額の営業赤字を計上しました。
■クックパッド業績推移
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2016年12月期に売上高が168億4,500万円となって絶頂期を迎えた後は、転がり落ちるように減収を続けました。2022年12月期の売上高は100億円を下回っています。
2022年12月期の会員売上は前期比7.7%の減少。広告は同25.9%もの減少に見舞われました。クックパッドの会員がジリジリと減少しているため、クライアントが広告出稿から手を引いていると考えられ、負のスパイラルに陥っているように見えます。