BuzzFeed Japan株式会社が運営するニュースメディア「ハフポスト日本版」は、編集長の泉谷由梨子氏による連載「3分Snapshot!」の第3回記事を公開しました。ビジネスパーソンが知っておくべきトレンドを3分で解説する同連載は、朝やランチタイム、就寝前の短時間で知識をアップデートできる内容となっています。
AI活用がもたらす新たなパラドックス
第3回のテーマは「AI を『使える』より大事なことは?人間にしかできないことと、愛の話。」です。AI活用が急速に社会へ浸透する中で、効率化と生産性向上という目的が、必ずしも人々の充実や幸福につながっていないという現象に焦点を当てています。
記事では、AIが数十秒で生成した複雑なニュースを一枚にまとめたインフォグラフィックを紹介し、AI進化がもたらす「視覚化」のインパクトを示しています。しかし、高品質なアウトプットが容易に量産される時代において、仕上がりそのものの差別化はますます難しくなっており、本質的な価値を生む「切り口」を決めるのは依然として人間であると指摘しています。
「文章×人間性」が生む独自の価値
泉谷編集長は、記事の面白さや独自の深みは「仕上がった文章そのもの」と「この人が考えているんだ」という掛け算によって生まれると説明しています。AI時代においても、人間性が宿るコンテンツの価値は変わらないという視点を提示しています。
効率化の先に待つ「時間の再設計」
記事では、生成AI活用の現場データを基にした考察も展開されています。AI活用によって業務効率が向上している一方で、「空いたはずの時間がなぜか埋まってしまう」という現代の働き方のパラドックスを紹介。効率化により業務時間が短縮されても、空いた時間が別の作業で埋められ、むしろ忙しさが増すという、多くの組織と個人が直面している課題を取り上げています。
泉谷編集長は、AIによる「仕事の高速化」ではなく、空いた時間を何に使うのかこそが重要であると強調。「やりがいのある人生とは何か?」を軸に、組織ができる実践策を提示しています。この問いに向き合う試行錯誤こそが人間にしかできない営みであり、AI時代の鍵となると述べています。
編集長のキャリアが示す多様な視点
泉谷由梨子氏は、慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、2005年に毎日新聞社に入社。東日本大震災の被災地となった福島では、避難者の心と身体の健康の課題などを担当しました。退職後はシンガポールに転居し、日系出版社でビジネス誌編集者として勤めた後、東南アジア各国からの女性移民労働者を支援するNGOで広報職員として勤務。2016年に帰国し、ハフポスト日本版に入社しました。
ジャーナリズムの知識とグローバル感覚の両方を生かしながら、ジェンダー平等の問題や働きかた、男性育休などのテーマで、キャンペーン報道をリードしてきました。2018年から副編集長、2021年から現職を務めています。



