カバーは2026年8月12日、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。売上高は8,825百万円で前年同期比8.3%減、営業利益は651百万円で同33.0%減となりました。詳細は決算説明資料および決算短信で開示されています。

減収の主因は、タレント構成やコミュニティ環境の変化に加え、トレーディングカードゲーム新商品の販売スケジュールや商品構成の差異、EC商品の製造・販売オペレーション移行過程で生じた欠品や品揃え不足でした。配信およびマーチャンダイジング収益が前年同期を下回った一方、ライブ/イベント分野は前年同期比109.6%増、ライセンス/タイアップも同8.2%増と伸長し、多面的な事業展開が業績を下支えしました。

事業ポートフォリオの多角化が進展
ライブ/イベント分野では、秘密結社holoX初のオフラインライブや獅白ぼたん主催の大規模ゲームイベント「獅白杯」の初オフライン開催などが寄与しました。過去開催ライブの映像商品販売も伸長し、アセット型収益の積み上げが確認できます。ライセンス/タイアップでは国内大手クライアントとのコラボレーションに加え、北米・東アジア地域の海外クライアント取引拡大が売上を牽引しました。

マーチャンダイジング分野では、ホロライブプロダクションの公式店舗を原宿へ新規出店し、販売チャネルの多様化に取り組みました。一方でトレーディングカード分野の商品構成差異や卒業タレント関連商品の剥落、EC商品の欠品による機会損失が響き、同分野の売上高は4,546百万円で前年同期比22.1%減となりました。

次世代タレント育成と新規事業への布石
中長期のタレント価値創出に向け、次世代タレント育成プロジェクト「mekPark」を始動し、UNIT B (Pre-Debut)とACHRORAの2ユニットが活動を開始しました。配信関連指標の軟化が見られる中、新興タレントの台頭が業績を底堅く支える構図がうかがえます。

7月23日には当社初のスマートフォンゲーム「hololive Dreams」を全世界同時リリースしました。リリース前のキャンペーンで事前登録者数100万人をQ1中に達成しており、ゲーム領域を通じた新たなファン接点の創出が進んでいます。同社はQ2にかけて、このゲームのキャンペーンを通じた休眠層の再アクティブ化や新規ファン層開拓を図る方針です。

組織再編と構造改革を継続
4月1日より組織再編後の新体制が始動し、意思決定の迅速化と各事業領域における責任体制の明確化を進めています。タレント支援・リレーション強化に向けた社内体制の整備も進行中です。
事業ポートフォリオの見直しにあたっては、戦略適合性および経済合理性に基づくプロジェクト評価プロセスを開始しました。この一環として、メタバースサービス「ホロアース」のサービス終了を決定し、技術・知見を既存事業へ統合するとともに、重点領域への経営資源の再配分を明確化しています。

同社は現在を持続的な成長に向けた基盤強化を進める投資期と位置づけ、タレント価値の継続的な創出を支える事業基盤および組織体制の整備を進めています。これに伴い固定費が先行して増加し、営業利益率は前年同期を下回りました。
中長期戦略としては、VTuberビジネスの確立、IPビジネスへの進化、クリエイター経済圏の拡大という3段階の事業戦略を掲げ、内製での事業開発、外部企業との戦略的パートナーシップ、M&A等による能力拡充を図る方針です。2027年3月期通期の業績予想は売上高51,350百万円、営業利益7,000百万円で、5月14日発表の予想から変更はありません。










