株式会社カカクコムは2026年9月28日、KDDI株式会社との間で締結していた資本提携契約を合意解除し、業務提携は継続することを取締役会で決議したと発表しました。これに伴いKDDIは同社の「その他の関係会社」から外れ、主要株主としての位置付けのみが残ることになります(カカクコムの開示資料)。
両社は2018年8月に資本業務提携契約を締結し、データやメディア運営ノウハウの相互活用、新規サービスの共同開発などを進めてきました。カカクコムは今回の解消理由について、現在進行している株式公開買付(TOB)を含む自社の資本構造の変化と、今後の経営方針を巡る協議・検討を重ねた結果、資本提携関係を円満に解消することで合意したと説明しています。
ガバナンス関連の合意も解消
解消される内容には、KDDIが指名する取締役候補者を受け入れる役員派遣合意や、定款変更・組織再編等の重要事項に関する事前通知・事前説明の合意が含まれます。なお、KDDIから派遣されていた社外取締役1名は、2026年6月18日開催の第29期定時株主総会の終結時点で既に退任しています。
一方で、2018年に締結した業務提携基本契約については内容の変更はなく、今後も有効に維持されるとしています。継続する主な内容は、両グループが保有する閲覧履歴・利用履歴等のデータやノウハウを活用した新規サービスの共同開発・提供、各メディアの制作・運営におけるノウハウの共有、インターネット広告・デジタルマーケティング事業の推進に資する協業・連携の検討です。資本関係の見直しとは別に、実務面での協業実績を踏まえた関係は維持する形となります。
その他の関係会社からの異動
資本提携契約の解約により、事前協議義務等のガバナンス合意が失効したことから、KDDIはカカクコムの「その他の関係会社」に該当しなくなりました。異動後もKDDIが保有する議決権所有割合は17.70%(35,016,000株)で変わらず、大株主順位も2位を維持します。所有株式数自体に変動はなく、契約上の関係解消に伴う属性変更という位置付けです。
今後の見通し
カカクコムは、今回の資本提携解消自体が2027年3月期連結業績に与える直接的な影響は軽微だとしています。ただし、現在進行中のTOBの成否や結果、今後の業務提携の具体的な進捗などによる業績への影響については、現時点では確定していないと説明しています。同社は今後、開示すべき事項や業績に重大な影響を与える事項が生じた場合には速やかに公表するとしています。
2018年の資本業務提携は、価格比較サイトや口コミメディアを運営するカカクコムと通信大手KDDIが、データ活用やメディア事業のノウハウ共有を軸に結んだものでした。8年を経て資本関係が解消される背景には、進行中のTOBを含めた資本構造の変化という同社を取り巻く経営環境の変化があり、業務提携という実務的な協業関係だけを切り離して継続する形となりました。

