吉本興業が8日、アジアを中心にインターネットの映像ストリーミングサービスを展開するマレーシアの動画配信大手「iflix(アイフリックス)」に出資することで合意したことを発表しました。

両社は合弁会社を設立し、よしもとグループなどが制作する日本の動画コンテンツをアジア市場に向けて提供していきます。今回は、吉本興業として初の海外メディアへの出資で、今後のアジア展開に向けた地盤づくりを加速させます。

アジアのメディア市場へのPR効果も

アイフリックスは、アジア・中東・北アフリカの22カ国で映像ストリーミングサービスを提供するアジア圏最大の動画配信事業者で、2015年にマレーシアで創業し、アジアを拠点に新興市場に向けて事業を展開してきました。

今回の合意によって、両社が50%ずつ出資する合弁会社を5月ごろまでにシンガポールに設立。日本のコンテンツを調達して、アイフリックスのテリトリーであるアジア・中東・北アフリカの地域に提供する総合窓口としての機能を果たすほか、今後、両社がアジア市場向けのオリジナルコンテンツを共同制作する際のプラットフォームになります。

また、こうした提供コンテンツの視聴行動データをもとに、今後のアジア市場向けのオリジナルコンテンツ制作に役立てていきます。アイフリックスに向けた日本企業からの出資は今回が初めてで、吉本興業にとってアジアのメディア市場へのPR効果も期待できます。

「視聴行動データ分析」と「ローカライズ」

アイフリックスの共同創設者でグループCEO(最高経営責任者)のマーク・ブリット氏によると、アイフリックスの強みは、東南アジアを中心とした新興市場の「中間層」と「若年層」から支持を得ていること。東南アジアには、スマートフォンなどデジタルデバイスのユーザーが6億人いるとされ、アイフリックスがターゲットとしているのは、まさにその人たちです。

この大きな市場をおさえるため、吉本興業とアイフリックスは、各地域・ユーザーに向けて、膨大な視聴行動データの分析によって導き出される最適コンテンツを配信し、機械学習によって半自動化された字幕スーパーでローカライズを強力に進めることで言語の壁を乗り越えていくことを重視しています。

オールジャパンでアジア展開

合弁会社では、まずは吉本興業が制作したコンテンツや、日本の既存の人気動画コンテンツ(アニメ・ドラマ・映画・バラエティ・コメディなど)を中心に提供し、それがどう受け入れられたか視聴行動データを分析したうえで、そのニーズに合ったオリジナルコンテンツをつくっていきます。そして、こうした動きを呼び水に、将来的には、吉本興業以外の日本のメディア事業者も巻き込んだ、オールジャパンのコンテンツをアジアに向けて展開していきたいとしています。