1タップで簡単!誰でもできる音声配信アプリ「Radiotalk」(ラジオトーク)。本サービスを提供するRadiotalk株式会社の井上佳央里代表は、小学生の頃から新聞の投書を始めて読者リポーターになったことをきっかけに、雑誌への投書やラジオのネタ職人やっていたそうで、これらを通じて、「日頃から陽の目を浴びていなくても才能ある人にチャンスを作る」ことを目指していたそうです。

2012年にエキサイト株式会社に新卒で入社した後、社内ベンチャー制度で「Radiotalk」に取り組むチャンスを掴みました。プロデューサーとして成長を指揮している中、エキサイトのXTechグループ入りを受けて、XTechの支援を受けエキサイトから独立し、新たに立ち上げられたRadiotalk株式会社の代表に就任しました。(5月20日には毎日放送グループのMBSイノベーションドライブからの約1億円の資金調達も発表)

誰でも楽しく音声配信ができる世界を目指す「Radiotalk」が今後何を目指していくのか、井上社長に聞きました。

―――これまでのご経歴を教えていただけますでしょうか?

大学時代は放送を学んでいました。就職に当たっては「才能ある人にチャンスを作る」に取り組めるだろうと考え、エキサイトに入社しました。最初はウーマンエキサイトに携わり、その後はエキサイト翻訳を担当しました。

当時からGoogle翻訳という巨人がいたため、同じ土俵の翻訳サービスで太刀打ちするのではなく、翻訳を利用するユーザーの語学力に課題があるというデータから語学サービスを運営したり、あとは機械だけではなくC2Cで翻訳するサービスを検討したり。

その後は、誰でもブログを開設できるエキサイトブログを担当しました。

―――エキサイトブログの経験が「Radiotalk」に活かせたのでしょうか?

それはありますね。UGC(User Generated Content)初期の配信者の増やし方とか、受け手側すなわち読者やリスナーを優先させるタイミングとか、コミュニティで疲れさせない工夫とか。当時既にスマホが普及していましたが、投稿はまだまだPCが主流でした。その背景には、スマホの文字入力の難しさも挙げられます。2016年頃に、これを解決する方法として音声入力を模索していたことも重なりました。

―――音声入力から発想したわけですね

とはいえ、当時は「ラジ生?」「こえ部」など音声を活用したサービスは終了していましたし、音声入力している人はほぼ見かけないくらいでした。ただ、スマホのフリック入力が話すことよりも煩雑で手間なのは事実です。スマホが一般に普及すればするほど、音声入力の精度も利便性も高まっていくだろうと予測していました。

徐々に音声検索のクエリ数も伸びていって、スマートスピーカーやAirPodsも発売されていきました。そうすると、耳の可処分時間が増えていきます。そこで2017年の検証フェーズを経て、2018年に「Radiotalk」を本格的にリリースしました。

―――耳の可処分時間というのは面白い考え方ですね

これに気付いたのは、アイロンがけをしていた時です(笑)。もともとラジオも聴いていましたが、いつも身近に聴けるネタがあれば、空いている耳を埋められるのではないか・・・。耳経由であれば、ながら行動ができますからね。同時にスマホを持っている時間の奪い合いは相当激しくなっているので、別の角度からの勝負ができる、と考えました。

―――「Radiotalk」はどのようなサービスか、簡単に教えてください

「Radiotalk」は誰でも今すぐ1タップで始められる音声配信サービスで、iOSとAndroidのアプリから、様々なユーザーが配信する番組を聴くことができます。このアプリを使えば「Radiotalk」だけでなく、Podcastにも同時に配信できるので便利です。

スマホで簡単に誰でも音声配信ができる「Radiotalk

―――配信者はどのような方が多いのでしょうか?

おかげさまで幅広い配信者の方に使っていただけるようになりました。

配信の内容は、ひとつは一人でフリートーク形式に語るトーク。ニッチ領域も面白いですね。例えば、アニメ番組などのオタクカルチャーについて語りたい、けど周りに共有できる友達がいない、というような方も見られます。ニッチですが、熱量があり、人気を集めているものがあります。サービスとしてもハッシュタグを使えるようにして、興味関心軸で盛り上がれるようにしています。

二つ目は、二人のかけあいです。特徴的なところで言うと、芸人の方も増えています。特に仕込んでいるわけではないのですが、自然発生的にやってもらえる人が増えました。芸人さんのネットワークを通じて広がっている雰囲気もあり、数日で20組ほど増えたこともあります。

他にも、ご自身のブランディングや、ファンの方に向けたコンテンツの一つとして配信されている方もいます。「デイリーポータルZ」や「アロハストリート」などメディアとして配信しているアカウントも増えています。

三人以上で配信しているものの中には、友達との会話をそのまま配信したり、飲み会でアプリを置いて配信したり「思い出共有」として使っているものもあります。

―――競合と比べて特徴的な部分はありますか?

配信のハードルを下げる工夫は随所にしているつもりです。例えば、ボイスチェンジャーが利用できるので、身バレが怖い人や自分の声が好きではない人にも安心です。男性だと、音程を下げて、スピードを落とすと、よりシブくてカッコよくなります。ライブ配信と違って一時停止も編集もできることから即興で話す必要もないので、話すスキルが必ずしも必要なわけではありません。

ニッポン放送のWebラジオ「オールナイトニッポンi」との提携では、「Radiotalk」を起点にしてスターを育成していきます。ラジオからデビューした芸能人ってPoadcastから映像化されたり、Netflixの番組になる、ということも海外では起きていますので、同じことを「Radiotalk」でもできればと思います。また、ラジオや音声はウェブでは広がりづらいのですが、埋め込み機能を使えばブログにも貼り付けられますので、広めることにも繋がります。

―――人気のジャンルはありますか?

当たっているラインナップやジャンルはありますが、あまり露骨に人気の作品というのはサービス上では押し付けないようにしています。人によって好みや再生履歴が如実に異なるためです。実は、「Wave Surfing」という機械学習を使ったエンジンを開発して導入していて、声質や話し方が近い番組をレコメンドするという仕組みを持っていたりします。

好きな声や話し方でレコメンドしてくれる「Wave Surfing」

また、本当は価値があるのに、聞いてくれる人が上手くマッチングできずに、眠ったままになっている話が世の中には沢山あると思っています。そんなアウトプットされてない価値、眠っている人の話を開放していければと思います。

―――マネタイズの面ではいかがでしょうか?

まだマネタイズ手段は提供できていませんが、幾つか可能性があると思っています。

例えば音声広告は国内ではまだまだですが、北米ではPodcast向けに様々なネットワークが誕生しています。

番組に対する個人課金や寄付も可能性があると思っています。Patreonのようなプラットフォームで日本円にして何十万円以上も集めているPodcastもたくさんあります。

「Radiotalk」を契機にしたデビューのチャンスも提供していきたいですが、「Radiotalk」の番組自体をマネタイズする方法も近いうちに導入できればと思っています。

―――最後に音声の可能性について教えてください

繰り返しになりますが、耳の可処分時間にはまだ空きがあります。

お皿を洗ったり、満員電車に揺られていたり、車の運転時には、まだ脳のスペックに余裕があります。そこで一緒に消費されるコンテンツは、これまではせいぜい音楽が3割程度の人に聴かれるだけでした。

音楽は衝動や癒やしのような感情を動かす一方で、人の話には笑いや発見、情報の把握といった異なる機能があります。人は言葉で笑い、考え、知ります。そうした人の話すなわち「トーク」の領域を「Radiotalk」で提供することで、トークの力で世界を楽しませていきたいと思います。

次世代高速通信5Gの展開や、海外でのPodcastの伸びなどの流れもあります。エキサイトから独立したベンチャー企業として、成長を加速させていきたいです。

※編注・・・Radiotalkは5月20日に毎日放送グループのMBSイノベーションドライブから約1億円の資金調達を発表しています。こちらの記事も併せてご覧ください。

特集: 音声とメディアの未来

5人のキーパーソンが登壇するイベントは5月22日(水)開催

今回の特集に登場する5名から直接話しが聞ける「Media Innovation Meetup #4 音声とメディアの未来」は5月22日(水)の開催です。

終了後には軽食と飲み物を用意した懇親会も実施します。

※Peatixの画面より領収書の発行が可能です
※当日は名刺を1枚お持ちください(ない場合は結構です)

■概要
日時 2019年5月22日(水) 19:00~22:00
会場 〒160-0004 東京都新宿区四谷3-9 第一光明堂ビル 9F TIME SHARING 四谷 ※四谷三丁目駅から徒歩2分
主催 株式会社イード
入場料 3,000円

■スケジュール
18:30 開場
19:00 開演、主催者挨拶
19:05 各登壇者からプレゼンテーション
    株式会社Voicy 緒方憲太郎 代表取締役CEO
    Radiotalk株式会社 井上佳央里 代表取締役
    シマラヤジャパン株式会社 安陽CEO
    ロボットスタート株式会社 中橋義博 代表取締役社長
    株式会社オトナル 八木太亮 代表取締役社長
20:20 パネルディスカッション
21:00 懇親会
    軽食とドリンクを用意します
22:00 終了

■チケット
チケットはPeatixで販売中です。

※Media Innovation Salonの会員様には1000円引きとなるクーポンを配布中です。ぜひ参加をご検討ください。