IPGメディアブランズ(東京都港区)は、生活者の「デジタルメディアの利用実態・意識」を明らかにすることを目的として、15~74歳の2,400人を対象に調査した「Media in MindTM 2019 デジタルメディア調査」の結果を発表しました。
Media in MindTM デジタルメディア調査は、2005年から毎年実施しているIPGメディアブランズ独自の生活者調査で、生活者のデジタルメディア利用において、どのような変化が起きているのか、毎年定点的にトラッキングしています。
目次
調査結果
1. 2030年頃までに実現・普及していると思われる技術は、おおむね8割以上認知されている
すでに実用化されている技術も含め、全体的に各技術の認知は高い結果となりました。総じて、女性の認知は男性よりも低い傾向にあり、とりわけ、AI住宅やウェアラブル端末は、女性での認知が男性と比べて10ptほど低い年代層もあったことから、結果として全体の中では低めの認知となっています。
2. 期待度の高い技術上位3つは、「医療技術(ナノテクノロジー)」「医療技術(iPS細胞、ゲノム編集)」「介護ロボット」で、健康をサポートしてくれる技術への期待がより高い
労働人口の減少が社会問題となっている中、外国人就労者によるダイバーシティ化が進み、日本国内でさえも外国語でのコミュニケーションが必要になってきていることや、農家の人手不足の解消への期待などが影響を与えていると考えられます。未来の技術に対しても、人間の基本的欲求を満たしてくれる技術や社会問題への解決策となる技術のほうが、期待が高いという表れだと考えます。
3. 健康関連技術への期待はシニア層が高く、AI住宅、IoT家電、ウェアラブル端末など個人の生活を便利にしてくれる技術に対しては、20~40代の期待が高い。空飛ぶ自動車や宇宙開発など次世代技術に対しては、10代の期待が高い。
性年代別にみてみると、いずれのセグメントにおいても、医療技術や介護ロボットが上位にランクインしていますが、スコア自体は年齢が上がるにつれて上がる傾向がうかがえます。10年後、医療や介護の必要性が高まる年代ほど期待も大きいと思われます。
コレスポンデンス分析によって、各セグメントによる特徴を分かりやすくしたところ(グラフ3)、AI住宅、IoT家電、ウェアラブル端末など個人の生活を便利にしてくれる技術に対しては、20~40代の期待が高く、空飛ぶ自動車や宇宙開発など、実用化は2030年よりももう少し先と思われる次世代技術に対しては、10代の期待が高いことがわかりました。
【調査概要】
◆調査期間 2019年11月22日~25日
◆調査方法 インターネット調査
◆調査実施機関 株式会社マッキャンエリクソン 株式会社クロス・マーケティング
◆調査対象者 関東・関西在住の15~74歳のインターネットユーザー 全2,400名