危機的なローカルメディアを守るために何ができるか、オーストラリアの研究者の提言

The Conversation

新型コロナウイスル(COVID-19)の世界的な感染拡大が進むなか、「ソーシャルディスタンス」「セルフ・アイソレーション」などの言葉が急速に浸透しました。

「エッセンシャル・サービス(生活に不可欠なサービス)」もその一つです。これは最も頻繁に使われている言葉の一つであり、同時に定義が不明確な言葉でもあります。

では重要なニュースや情報サービスとは何か、オーストラリアの研究者Kristy Hess氏がまとめ、ニュースメディアTHE CONVERSATIONで発表しました。

小規模新聞はデジタルへ移行

ニュース・コーポレーションは、オーストラリアにおける60の小規模新聞の出版を停止し、デジタルへ移行すると発表しました。同社の会長であるMichael Miller氏は発表で、「新型コロナウイスル(COVID-19)の影響によりデジタルメディアプラットフォームがパブリッシャーへ支払うどころか、彼らのコンテンツを利用するようにった。」と述べました。

このニュース・コーポレーションの発表はあくまで一部であり、ここ数週間の間にアメリカやニュージーランド、イギリス、オーストラリアなどの広い範囲で、いくつものローカル紙が出版を停止しています。

しかしながら、こういったニュースは新型コロナウイスルに関するニュースの中でほとんど触れられておらず、停止に追い込まれている小規模出版社の救済策についても言及されていません。

”エッセンシャル”な情報とは?

研究者たちは”エッセンシャル(必要不可欠な)”な情報の資質とは何か?に着目。もし新聞がこのパンデミックを乗り越え繁栄を続けるためには、この”エッセンシャル”な情報として認められる必要があるとしています。

しかしながら、Hess氏によるとオーストラリア政府が必要不可欠な情報と考えているのは首都キャンベラで開かれる記者会見で発表される、エリート層へ向けた情報と、彼らが政府のサイト「COVID-19 essential information」に投稿する内容だけだそうです。

政府がソーシャルメディア上で新型コロナウイルスに関する大規模な広告キャンペーンを開始した一方で、首相のスコット・モリソンが「Twitterなどのプラットフォームはゴシップとナンセンスの温床」と言及するなど、矛盾した言動も見受けられます。

Hess氏は記事で「このような矛盾した行動は、政府が”エッセンシャル(必要不可欠)”と考える情報を、どこから入手すべきか判断を迷わせるだけだ」としています。

ローカル紙を守るためにできる事

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