テック企業が「有害な」コロナウイルス関連コンテンツを削除…誰が有害の定義を決めるのか?

本記事はThe Conversationに掲載された、イギリスのUniversity of Londonで社会学を専門とするStephanie Alice Baker教授とオーストラリアのLa Trobe Universityで社会学を専門とするMatthew Wade教授とオーストラリアのUniversity of CanberraのMichael James Walsh教授による記事「9 reasons you should be worried about the closure of BuzzFeed News in Australia」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

コロナウイルスに関する誤った情報の「インフォデミック」により、正確な情報や誤った情報、誤解を招く情報を見分けることが難しくなっています。大手テクノロジー企業は、新型コロナウイルスに関する誤った情報に対抗するために協力するという前例のない対応を取りました。

このアプローチには例えば、政府の医療機関やその他の権威ある機関を情報源としたコンテンツの拡散や害をもたらす可能性のあるコンテンツを特定して削除することを目的とする措置の導入などがあります。例えば、Twitterは現在、公衆衛生情報に関して、信頼できる情報源から発信されたものと矛盾するコンテンツに対抗するために「害」の定義を拡大しています。

Facebookは、身体的危害につながる可能性のある誤報を削除するために、ファクトチェックサービスを追加採用しました。YouTubeは医療誤報ポリシーを公表し、「重大な危険性のある新型コロナウイルスに関するコンテンツ」を禁止しています。

このアプローチの問題点は、何が害を構成するかについての共通の理解がないことです。害を定義する手法が違えば、全く異なる定義が採用される可能性があり、テック企業の健康情報の調整能力に対する人々の信頼を損なうことになります。私たちが最近の研究論文で主張しているように、この問題に対処するためには、害を定義する方法にもっと一貫性を持たせ、害への対応方法により透明性を持たせる必要があるでしょう。

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