Media Innovationの2021年1月特集は「After Cookie~メディアと広告の未来像」と題して、プライバシー重視の高まりや、サードパーティクッキー廃止の技術的な制約の中で、メディアにおける広告やデータ活用がどのように変化していき、どのようなスタンスで望んでいけば良いかキーパーソンへの取材で探っていきます。
コズレは2013年創業。子育てナレッジシェアメディア「コズレ」(cCozre)を運営しています。サイトにアクセスすると、一見記事型メディアのように見えますが、その背景には自社で構築した子育てCDPを軸とした徹底したデータ活用があるそうです。中核となるのは会員IDで、親と子供の月齢データを持ち、それに応じたコンテンツの配信や、集まってくるデータをメディア運営や広告に活用する事で大きな成果を挙げているといいます。
プライバシー規制やサードパーティクッキー廃止などでデータ活用が曲がり角にある中で、ファーストパーティデータを活用したメディア展開は多くのパブリッシャーにとって参考になるのではないでしょうか。同社創業者で代表取締役を務める田中穣二郎氏と、取締役サービス開発本部長の小川正樹氏にお話を伺いました。
目次
子育てのいまに最適な情報を届けるためにデータを活用
―――改めてコズレについて教えてください
田中:コズレはミッションとして「子育ての喜びをもっと大きくすること」を掲げている会社です。裏を返せば今のところ、子育ては大変、という方が勝っていると考えています。子供が成長していくほど、親は色々な壁にぶつかります。悩みは流動的なうえに、親個人が担わなくてはいけません。そこでコズレでは、親の立場にフォーカスし、データを踏まえて、悩みやニーズに応じたコンテンツを提供しています。ニーズに最適なコンテンツを発信できれば、親が悩みに押しつぶされずに子供の成長を楽しみ、余裕をもった育児につながると考えています。
―――データの活用に注力していると聞きました。いつ頃から取り組まれているのでしょうか?