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【特集】巨大プラットフォームに成長した「YouTube」を知るための10のデータ

毎月20億人がログインし、毎日10億時間の動画が消費され、毎分500時間以上のコンテンツがアップロードされているという「YouTube」。Alexaの世界のウェブサイトランキングではGoogle.comに次ぐ第2位を定位置としています。

誰もが動画を投稿でき、それを世界中のユーザーが自由に視聴する事ができる動画プラットフォームがYouTubeです。2005年に3人の起業家によって立ち上げられたこのサイトは「You」(あなた)が「Tube」(テレビ)に投稿できるというのが由来と言われます。まさにこの誰でも参加できるという特徴によって、人々が競うようにYouTubeに集まり、巨大な経済圏を生み出しました。

「好きなことで、生きていく」というキャンペーンもありましたが、YouTubeは投稿した動画を広告などで収益化する手段を提供。この事がクリエイターの参加を促しました。YouTubeで生活の糧を得るクリエイターは世界的に増加を続けています。さらにYouTubeから生まれたタレントであるYouTuberのマネジメント、彼らを活用したマーケティング、クリエイターを育てる育成機関、YouTubeを強化する広告代理店など経済圏が広がっています。

2021年2月の特集ではこの「YouTube経済圏のいま」をお届けしますが、その序章として本記事では様々な調査やデータからYouTubeの実態を探りたいと思います。

1.急速に成長するYouTubeビジネス

グーグルはYouTubeに関する指標をあまり公開していませんが、2018年第4四半期から、YouTube単体の広告収益を開示するようになりました。それによれば2020年第4四半期(10-12月)の売上高は68億8500万ドル。アルファベット(グーグルの親会社)全体の売上は四半期で668億9800万ドルとなっていて、全体の10%を超えた程度ではありますが、グラフからも分かるように急速に成長しています。毎年ホリデーシーズンのある第4四半期に大きく伸びる事も分かります。

少し古いですがニールセンが2019年11月に発表した調査でも、スマートフォンからの動画視聴は5年間で4倍に成長。これがYouTubeを大きく成長させている原動力になっています。

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2. 新型コロナウイルスが加速させたYouTube利用

新型コロナウイルス感染拡大によって自宅での時間が増加したことはYouTubeを始めとする動画プラットフォームには強い追い風となりました。グーグルによれば、日本でのユーザー数は2020年に大きく増加し、6500万人以上(9月)となり、アップロードされる動画の数も80%増加(6月を前年比較)したということです。

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グーグルの発表より

さらに同社の調査では74%のユーザーが「新型コロナウイルスの流行以降、YouTubeの利用が増えた」と回答。「なくなったら最も寂しいプラットフォーム」でも1位だったということです。

3. テレビでの視聴が急拡大

単に視聴者が増加しているだけでなく、テレビでの視聴が増えているというのも昨今の特徴です。

グーグルによれば、テレビ画面でのYouTube視聴数は1500万人以上(3月)で、うち65%がリビングルームで視聴しているということです。また、50%は家族やパートナー、友人と一緒に視聴をしているそうです。スマホやPCでは一人での視聴が大半と見られますが、テレビ視聴が広がる事で、コンテンツ消費のあり方も広がり、求められるコンテンツの幅も広がっていくと考えられます。

テレビのリモコンにもYouTubeボタンが配置されているのが当たり前になってきました。YouTubeでの広告配信もテレビ視聴のユーザーターゲティングが注目されているようです。

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4. 2割のユーザーが毎日3時間以上視聴

調査会社のクロス・マーケティングが実施したYouTube利用に関する調査(2020年11月)によれば、最もYouTubeの利用が進んでいるのは、男性は19~22歳、女性は16~22歳だということです。男女ともに年齢が高くなるにつれ減少する傾向が見られ、「見ない/30分未満」と答えたのは男性30-34歳では31.0%、女性30-34歳では51.0%となりました。しかし平均すると2割のユーザーが毎日3時間以上視聴すると回答。これも驚異的な数字です。

5. 購買行動に強い影響力を与えるように

長い時間視聴されているだけでなく、その視聴は購買行動にも繋がっているようです。前述のクロス・マーケティングの調査結果によれば、約1/4のユーザーが1ヶ月以内にYouTubeに影響されて買った/課金したものがある、と回答。男性はゲーム、女性は化粧/美容品が全ての世代で強いようです。これらの分野のマーケティングにおいてはYouTubeは欠かせない存在になっているようです。

また、「ECのミカタ」での調査(2020年9月)でも消費行動を喚起している事が伝えられていて、動画で紹介されていた商品を購入したり、ゲームやアプリの利用を開始したり、紹介されていたお店に行くなどに繋がっているということです。

特にゲームは「YouTube Gaming」というブランドでYouTubeとしても訴求していて、ゲームの売上に強い影響力を与えるようになりました。2020年にゲーム動画は1000億時間以上が視聴され、『マインクラフト』は2000億回、『Reblox』は750億回、『Garena Free Fire』は720億回もの再生があったということです。また、10万人の登録者を持つチャンネルが8万以上存在するような規模感になっているそうです(グーグル)。

6. トレンドに敏感に変化する視聴行動

新型コロナウイルスでの行動変容はYouTubeでの人気コンテンツにも影響を与えているようです。日本でも自宅エクササイズ動画の視聴回数が450%以上増加、家庭菜園が400%増加、料理が50億回以上視聴されるといった変化があったようです。

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米国での発表によれば、82%のユーザーがYouTubeを使ってハウツーやDIYを学び、72%が運動や健康維持のために活用、54%が愉快なクリエイターやコンテンツを視聴する事で気を紛らわせる事ができたということです。さらに58%がライブを視聴する事で繋がりを感じる事ができたとレポートしています。新型コロナウイルスで困難な状況で動画の活躍が広がったと言えそうです。

7. B2Bの意思決定にも利用が広がる

あらゆるコンテンツが揃うYouTubeはB2Cの訴求だけでなく、B2Bにおいても重要性が増しているようです。日本に限った調査ではありませんが、Hootsuiteが発行するグローバルレポートによれば、B2Bの意思決定の際に参照したプラットフォームの1位がYouTubeだったということです。

またグーグルによれば、B2B顧客の92%がオンラインで動画を視聴していて、43%が新しい製品やサービスを調査する際に動画を視聴しているということです。

B2B企業であっても、YouTubeに製品紹介や利用方法に関する動画をアップロードしたり、YouTube Liveを使ってウェビナーを配信するといった事は必須になっていきそうです。

Hootsuiteの「Digital in 2020: Global Report(Q4 Update)」より

8. 二桁成長が続く動画広告市場

これはYouTubeに限った調査ではありませんが、サイバーエージェント/デジタルインファクトによる動画広告市場の推計では、2020年に2954億円だった市場が、2024年には6856億円まで拡大すると予測。毎年二桁成長が続き、4年で2倍になる計算です。

サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表

9. 日本のパワーインフルエンサーは?

インフルエンサーマーケティングを手掛けるBitStarによれば、2020年に最も動画再生回数を稼いだチャンネルは「Junya.じゅんや」で実に8億8810万回。ついで「東海オンエア」(8億8249万回)、「Fischer’s -フィッシャーズ-(6億9597万回)」などとなっています。「Junya.じゅんや」は2020年にチャンネルを開設した人物で、TikTokで日本一のフォロワー数を誇る男です。

動画の再生回数で見ると少し趣が異なっていて、1位は1億回以上が再生された「こたみのチャンネル」の「【寸劇】みのちゃんはいつでも赤ちゃんになりたい!素敵なお姉ちゃんになって赤ちゃんのお世話できるかな?*Mino Pretend nanny 教育 こたみのチャンネル」でした。これは子供の兄弟が遊ぶ様子を配信しているチャンネルで、思わずほっこりしていしまうような内容が人気のようです。

さらに動画タイアップの再生回数では中国NetEase Gamesの「荒野行動」が6182万回で圧倒的なトップ。2位「コード:ドラゴンブラッド」もゲームですが、3位「Qoo10 ネットショッピング」、4位「Simeji」、5位「UNIQLO」など一般ブランドも目に付きます。各社積極的にYouTubeを利用したマーケティングを展開している事が分かります。

10. 次は「You」(あなた)の番

Tubicsによれば、YouTubeには3700万を超えるチャンネルがあり、昨年は23%の増加があったということです。さらに、100万人を超える登録者がいるチャンネルは約2万2000あり、これも日々増加しているようです。(2016年には100万人を超えるチャンネルは2000しか無かったとか)

世界で2番目に見られているウェブサイトに成長し、国内でも6500万人が毎月訪れるという圧倒的な規模を誇るプラットフォームに成長したYouTube。新しいクリエイターが日々登場し、巨大な広告市場も形成した一大経済圏が出現しています。この成長は今も続いていて、参入に遅すぎるということはありません。「YouTube」は「You」(あなた)の「Tube」(テレビ)であり、次は皆さんが参加する番なのです。

特集: YouTube経済圏のいま

  1. 10のデータで知る巨大プラットフォームとなった「YouTube」のいま

(順次公開予定です)

2月24日(水)にはイベントも開催します!

毎月恒例のMedia Innovation Meetup、第24回となる今回は「今さら聞けないYouTubeの始め方」として、広がり続けるYouTube経済圏について取り上げます。YouTubeのポテンシャル、どのように始めれば良いのか、将来性、その魅力などを語ります。

登壇いただくのは、YouTuberプロダクションのトップリーダーのBitStar(ビットスター)で執行役員を務める泊 大輔氏。同社でコンテンツ制作事業「BitStar Studio」を管掌し、最近刊行された書籍「動画マーケティングの新常識 ~最強のYouTube活用術~」の監修も行ったというYouTubeのプロ。もう1名はバンタンが4月に開校するVANTAN CREATOR ACADEMYの責任者を務める沼田伸一氏。長年クリエイターを育ててきたバンタンがUUUMと連携して展開するスクールですが、どんな狙いで、どんな教育で動画クリエイターを育てようとしているのか。これからYouTubeに取り組む皆さんにとってもヒントがあるのではないでしょうか。

■Media Innovation Meetup #24 今さら聞けないYouTubeの始め方
主催: Media Innovation(株式会社イード)
会場: オンラインでZoomを使ったウェビナーとなります
価格: 1000円 (Media Innovationのライト会員以上のステータスの方は無料ご招待)
備考: Clubhouseで音声のみ同時配信予定

■スケジュール
・17:00 主催者挨拶
・17:05 進化するYouTubeのいま(Media Innovationより解説)
・17:15 登壇者からプレゼンテーション(15~20分)×2
・18:00 パネルディスカッション
・18:30 終了

※参加登録にはMedia Innovationの会員登録が必須です。ログイン後に下記ボタンから参加登録をお願いします。

※本イベントは有料イベントですが、Media Innovation Guildのライト会員、プレミアム会員の皆様には無料で参加いただけます。月額980円からご利用いただけますのでこの機会にぜひご登録ください(詳細)。

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お知らせ

Manabu Tsuchimoto
Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

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