INCLUSIVEが地域メディアに見出す可能性や勝算とは?支援・運営を手がける藤田社長に聞く

Media Innovationの6月特集は「地域メディアの現状とこれから」。世界的に地域の情報流通を担うローカルメディアの大きな役割が見直されています。一方で、「メディア砂漠」という言葉があるように、そのビジネスは簡単ではなく、地域にメディアが存在しないという場所が確実に増えていっています。特集では日本各地で地域の情報流通を担い、先進的な取り組みで未来を切り開こうとしているキーパーソンを直撃します。

かねてからDX、収益化という課題を抱えていた地域メディアにコロナウイルスの感染拡大がさらに追い討ちをかけ、弱体化が進んでいます。地域メディアの積極買収を進めるメディアDXエージェンシーのINCLUSIVE(インクルーシブ)株式会社はどのような可能性を見出しているのか、また運営会社との協業体制や今後の展開などについて、幅広くお話を伺いました。

藤田 誠(ふじた まこと)
INCLUSIVE株式会社
代表取締役社長

メディアを軸にした地域活性化を目指し、地域に根ざす“志”を支援

―――藤田社長のご来歴とINCLUSIVE創業の経緯をお聞かせください。

97年に広告代理店に入社し、次にAtomShockwave.comというエンタメコンテンツサイトで営業責任者を担当、ライブドアでポータルサイトの営業責任者を務めた後に、INCLUSIVEを立ち上げました。

もともとメディアが大好きで持続可能な運営に興味があり、「放送と通信の融合」はライブドア時代の堀江さんの夢でしたが、私の夢でもありました。ライブドア事件で堀江さんがいなくなった後、ポータルサイトのあり方を出澤剛さん(LINE株式会社CEO)や伊地知晋一さん(共同通信デジタル代表取締役)、田端信太郎さん(株式会社田端大学校代表取締役)と一緒に考え、運営していました。

ポータルサイトはコンテンツを各種メディア企業からご提供いただいて運営されているので、持続可能なメディア運営ができないと良質な情報環境はできないと思い起業しました。今年で15年目を迎えますが、既存メディアの運営環境はより厳しくなってきており、我々の使命はますます増えていると感じています。

日本で唯一のメディアDXエージェンシーを標榜するINCLUSIVE

―――メディア運営を手がけられた経緯は?

学生時代は出版社でアルバイトをしていました。卒業後は広告代理店でアカウントエグゼクティブ、その後の各種ベンチャーでは広告企画営業が主な業務だったので、メディアの営業受託からスタートしました。ネットビジネスの問題を解決して収益を出すのが主な仕事でしたが、協業先で新規メディア事業開発とそれに伴うコンテンツ作りといった運用全般が始まり、自社でも各種のメディアやデジタルサービスの新規事業を始めたという流れです。既存メディアには私たちでは敵わない歴史や能力があり、私たちもすべてを自社でできるとは思わないので、それぞれの良い点を活かして成長していけばいい。そこはバランスだと思っています。

―――なぜ地域メディアの買収に着目されたのでしょうか。

地方創生、地域活性化は世の中の大きなテーマですが、メディア業界でも同じです。そして私自身の個人的な想いという点もあります。出版社・テレビ局・新聞社の事業再編が急務となっていますが、地域におけるフリーペーパーも事業構造を変える必要に迫られているメディアジャンルのひとつです。「ひらつー(『枚方つーしん』)」のような新興地域メディアは、志はあってもリソースが足りない。運営における各種支援が必要です。「ひらつー」を成功させ、その成功モデルを全国の地域メディアに活かしたい、といった想いで買収に踏み切りました。

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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小田恵
小田恵
フリーランス編集者/ライター。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業後、デザイナーとして広告代理店に勤務したのち、編集プロダクション、駐在員および帯同家族向けの情報誌を発行する海外メディアに編集者として勤務。現在は中小企業経営者や女性自立支援団体へのインタビューを手がけながら、企業の新サービス提供のためのコンテンツ視覚化の手引きもなども行う。

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